はじめに

今年、2024年にSummer Sonicへ行くことになれば、それが私にとって10回目のサマソニとなる。2011年に大学の先輩たちに連れて行ってもらって人生初の音楽フェスを体験して以来、フェス=サマソニ、の方程式が成立してしまっている。

特にサマソニの歴史とともに歩んできたような古株ではないが、時にはライトに、ある時はどっぷりと。10代の終わりから30代にさしかかるまでの10余年をサマソニという視点で振り返ってみようと思う。

ここにひとつのプレイリストを作成した。シンプルに、印象に残っている楽曲だ。今でもはっきりと思い出せる楽曲たち。それは元々自分が好きだったものもあれば、その場の盛り上がりに圧倒されたりしたものも含まれる。好きな曲というよりは思いだせる曲、のほうが正確かもしれない。

軽くではあるが、開催年ごとに触れてみる。

2011年

20歳、サークルの先輩と後輩たちの5人くらいで。行くと決まってからラジオで知ったThe Strokesの「Reptilia」がどうしても聴きたくてそれ中心に。結果、人生初のモッシュに巻き込まれ、選んだ楽曲はその盛り上がりが凄かった「New York City Cops」に。この時は人に教えてもらって洋楽を知った10代から自分で探して次々とかっこいい洋楽に出会った時代なのでとにかく海外の音楽が聴きたくして仕方なかった頃。実は日本でフェスどころかライブに行くのもそもそも初めてで、とにかく刺激的で印象的な一日だったことは明白。ここから毎年サマソニには行こうと思うようになった。このプレイリストでもMutemath、ONE NIGHT ONLYを挙げている。

2012年

二度目のサマソニは、学部が同じの友達とその彼氏の3人で参加。たしか寝坊して、Vintage Troubleをほとんど見られずに終わった記憶がある。でもこの日は寝坊なんかより大変な、大雨の日。サマソニって結構晴れの日が多くて、2022年のPostMaloneの日にしっかり降った記憶はあるけれど、この日はそんな比じゃないくらいにすごかった。あと雷雨。Perfumeを見ていたらあーちゃんが「やめろっていうからやめるね!ごめん!」みたいなこと言い残してステージから去っていった。その後野球場に3人で避難してずっと屋根の下、くるぶしまで水が浸かりながら色んな話をしていた。個人的な回想で恐縮だが、意外とあの時間、好きだった。愚痴りながら、寒い寒いといいながら、でもドイツ人の彼氏がナイスガイすぎて自分も好きになってしまったくらいに。

結局アナウンスもないまま遠くのメインステージでなにやら音楽が鳴り始めて、球場にいた人全員が「あれ?これ始まってんじゃね?」みたいな空気になって一気にステージに戻るという混乱っぷりもサマソニの醍醐味。一番見たかったJamiroquaiはキャンセルするし、小雨の中震えながらみたThe CardigansとHoobastankは印象的。The Cardiansの「Lovefool」はプレイリストにも入れてます。

そして何よりこの日一番楽しみにしていたのはFoster The People。ファーストアルバムの聴き込み方は他のアーティストとは比べものにならず、室内のSONIC STAGEのほぼ最前列でダンスダンス。ハイタッチもしてもらった…はず。時間の問題か、Rihannaは見られず、メインステージに戻ったら花火が上がっていた、という思い出。

2013年

3年連続3回目のサマソニは大学のサークルの同期と。ミスチルオタクの彼はとにかくミスチルだけを聴きたい!という感じだったけれど、いざ当日着いたら「Museってバンドカッコいいなー」とか言ってて、すごく素敵だった。嫌味のなく明るく冗談も優しくてサークルでも架け橋的な存在だった彼と言ったサマソニは結構歴代でも好き。自分はMuseにウキウキで見に行ってミスチルの一体感に大感動の涙を流し、彼はMuseとミスチルの音作りの差に愕然として打ちひしがれるという素晴らしい体験をお互いに経験していた。

覚えているのはMan With A Missionが好きで見てみたらショボく聞こえてしまったこと。そういえばこの時ってテントスペースみたいなのがあってそこでご飯を座って食べていた。モニターみたいなのもついていて、そこでJohn Legendを観た記憶がある。あと同じサークルの動画が交通整理のバイトしてた。

2016年

3年ぶり4回目のサマソニは大学も卒業し24歳の夏。大学時代の友人とその職場仲間の計4人。もちろんこの日はずっと大好きだったRadioheadが目的。この空白の2年の間にブログを立ち上げ、JPOP、並びにアイドルとかにもハマったりして音楽観はガラッと変わっている。自分としてもやはり13年までのサマソニの記憶と16以降のサマソニの記憶の濃さは違うし楽しみ方もかなり変わったと思う。この年からブログでライブレポも残っていて、かなり色々と鮮明に思い出せる。サカナクションが大量の太鼓を用意しお祭り騒ぎになっていたこととか、念願のTwo Door Cinema Clubで踊ったり、Cashmere Catでチルったり灼熱のMØ、The Jacksonsなど。当時はTwitterの使い方もイケイケだったので、大阪でCarma Policeが大合唱になるとか言ってた田中宗一郎さんに「大合唱ちゃうかったやんけ!」とクソリプ送って「ごめーん」って謝られたりとかそんな場外の思い出も。この年から現在に至るまでサマソニ大阪に関しては皆勤になりました。

2017年

はじめてメインステージに立ち寄ることなく帰ったのがこの年、2年連続5回目のサマソニ。去年と同じく大学の友人、途中から別の友人とも合流したり高校時代の友人とも一緒にLANYみてはしゃいだり。なんといってもLIAM GALLAGHERは憧れのアーティストそのものであり、前年には一人でイギリスへ行き彼が手掛けるブランドPretty Greenでシャツやジャケットを購入していたほどで、気が狂うほどテンション上がっていた。また、HONNEは名前も知らずになんとなく見てみたらとてつもなく最高でいまでも大好きなアーティスト。こういう出会いはここ数年で減ってしまったので、やはり出会いへの貪欲さはこの頃がピークなのかも。BLOOD ORANGEがガラガラながらめちゃくちゃかっこよくて、ピコ太郎はよく覚えてない。ラストはJUSTICE締めの文句なしの一日。

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2018年

3年連続6回目となるこの年は確か一人で参加した初のサマソニ。そして当ブログにとっても個人的にも色々あったのがこの年。まずはじめて2日間通して参加したこと。そして昨年リークでは名前があったChance The Rapperがこの年にリベンジしたこと。ヒップホップに興味を持ち出したこの頃の自分にとってチャンスが来ることは千載一遇の”チャンス”。セトリも大体予測つけて他のライブ映像を見てどこの歌詞を振られるのかを研究。ラップだけれどちゃんと歌えるようにと自宅で何度も練習を重ね挑んだこの日。詳しくはこのライブレポを読んでほしい。

結果このライブレポが当ブログにしては最大級の反響を呼び(特にネガティブ記事ばかり悪目立ちする当ブログにとっては珍しくポジティブ記事で)、まぁこんなこともあるんだなぁとブログやっててはじめて実感。その後は特にハネたりもしないのでほんとにラッキーパンチというか、それだけ熱量のこもった文章は不思議と人の心を動かすんだな、と。こればかりはなかなか狙ってできるものではない。

他にもデビュー直前のBillie EilishやRex Orange County、Tom Misch、IAMDDB、Jorja Smithと とにかく分厚い洋楽勢。トリのBeck、NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDSはもちろん、その裏のTame Impalaまで本当に隙のないラインナップで、いまだにサマソニファンからも評判の高い年。プレイリストにもこの年からたくさん選んでいる。

SUMMER SONIC2018OSAKA 8/18ライブレポ

SUMMER SONIC 2018OSAKA 8/19 ライブレポ

2019年

4年連続7回目。はじめて”Twitterで知り合った人と現場で会う”という行為に踏み出したのがこの年。一人で参加も板についてきたのか、まだ顔も見たこともないたまにリプでやり取りするだけの人と男女問わずとにかく会ってお酒飲んで一緒にライブ見て。ずっと誰かと一緒にいた気がする。あれは幸せだった。緊張もしたけどね。

3日間開催となった本年は私も3日間通して参加し、3日目には完全に熱中症で友人たちに介抱されたことも思い出。あれ以来無理なスケジューリングはやめました。RED HOT CHILI PEPPERS、THE CHAINSMOKERS、B’zと大物たちが揃うものの個人的には特に記憶に残るアクトでもなく。そんなことよりやはりこの年はThe 1975。アルバム「A Brief Inquiry Into Online Relationships」を引っ提げての来日はもうとにかく楽しみで仕方がなくて(なんだかんだ毎年の狂惜しいほど楽しみなアーティストいる自分は幸せ者だ)、ダンサー二人を引き連れてのライブなのはわかっていたので振り付けまで完コピしてずっと踊っていた。あとはFOALSにサインまでもらってライブを見られたこと、BRING ME THE HORIZONなども見たこと。あとは前日の大雨で設営が大幅に遅れかなりのアーティストがキャンセルになってしまったのもこの年。あ、BiSHの撮影可否の問題で一人でブチギレてたのも2019年でした。

サマソニの撮影禁止ルールの謎

Summer Sonic Osaka2019 8/16ライブレポ

summer sonic osaka2019 8/17 ライブレポ

The 1975を見たときそれが全てだったんだと悟った

2022年

3年ぶり8回目のサマソニはコロナによって2年連続大阪で開催はなく、久しぶりの開催。まぁここもやはりThe 1975でしょう。例によって大学の友人と、Twitterで知り合った友人たちと参加。特にキャンプ地に招待してもらってサマソニの楽しみ方の概念が変わったのもこの年の思い出。Post Maloneの迫力満点のライブ、easy lifeやSalem Ileseなど若手のアクトもよかった。Tahiti 80でノリノリになったこともよく覚えている。今年も両日参加したけれど、大変だったという記憶はあまりなく、うまく過ごせたなという印象の方が強い。やはりキャンプの避暑地の存在よ。

SUMMER SONIC2022 OSAKA  ライブレポ

2023年

2年連続9回目ははじめて金曜日の深夜の東京で行われるSonic Mainaに参加し、James BlakeやMura Masa、Flying Lotusなどを堪能してから土曜の朝に大阪に直帰、そのまま土曜のサマソニ大阪に参加。そんな感じの弾丸日程のため、ここ数年で最も見たアーティストの少ない一日だった。Inhalerをぼーっとみて、あとは二度目のLIAM GALLAGHER。そして満を持してのKENDRICK LAMAR。この年のサマソニで楽しみ方を一周したような、妙な落ち着きすらある一日で(単に疲れていただけかもしれないし、興奮するアクトが少なかったこともあると思う)、フェスの楽しみ方の次のフェーズに入ったのかななんて思った。

SONIC MANIA & SUMMER SONIC OSAKA 2023 レポ

まとめ

とにかく刺激的な二十代から、主体的にみるアーティストを選び余裕を持って楽しめる三十代に。今年は十回目となるサマソニ。もうすぐ第一弾アーティストが発表されるということで、楽しみは増すばかり。

プレイリスト楽曲一覧

MUTEMATH – Spotlight (2011)

The Strokes – New York City Cops (2011)

ONE NIGHT ONLY – Can You Feel It(2011)

Foster the People – Pumped Up Kicks (2012)

Royal Concept – D-D-DANCE (2012)

The Cardigans – Lovefool (2012)

Mr. Children – Innocent World (2013)

The Jacksons – Rock With You (2016)

Radiohead – Karma Police (2016)

Mo – pilgrim (2016)

LIAM GALLAGHER – Wonderwall (2017)

HONNE – Good Together (2017)

Chance The Rapper – Same Drugs (2017)

Phoenix – 1901 (2017) 

LANY – Good Girls (2017)

ゲスの極み乙女。 – 私以外私じゃないの (2017)

NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS – All You Need Is Love (2018)

Billie Eilish – you should see me in a crown (2018)

Tom Misch – South of the River(2018)

Paramore – Misery Business (2018)

Foals – Olympic Airways(2019)

The 1975 – The Sound (2019)

WEEZER – Say it ain’t so (2019)

Two Door Cinema Club – Undercover Martyn (2019)

The 1975 – Give Yourself A Try (2022)

RINA SAWAYAMA – LUCID (2022)

Thiti 80 – Heartbeat (2022)

Post Malone – Better Now (2022)

ONE OK ROCK – Stand Out Fit In (2022)

Kendrick Lamar – HUMBLE. (2023)