ここでは最も優れたエレクトロ・ダンスな楽曲を披露したアーティストに贈る。

優秀賞

MONDO GROSSO

PUNPEE

Ametsub

tricot

電気グルーヴ

水曜日のカンパネラ

大賞

ねごと

彼女たちを好きだと言い切る自信がなかったのは、彼女たちの煮え切らない姿勢だったと言い切るのは無責任かもしれないが、確かにその部分はあっただろうと思う。ロックバンドのフォーマットを敷きながら鳴らす音楽は少しエレクトロ。ペースがブリブリと鳴り、生ドラムがやけにリアリティを生む。なるだけ無機質で透明感を出したいエレクトロにおいてどうも生々しさが抜けない彼女たちの音楽をうまく楽しめない自分がいた。それは前作の「VISION」をピークにしていた。「シンクロマニカ」のようなまさにどちらに転びたいのかわからない楽曲は”ハイブリッド”といえば聞こえはいいが、これだけの才能をまさか二刀流で潰すなんて勿体無いと感じてやまなかった。しかし今作「ETERNALBEAT」では冒頭のタイトルナンバーから打ち込みサウンドと明らかにキレを増したシンセの音が世界観を構築していた。ベースもギターもエフェクトをかけ、完全にエレクトロにシフトした。彼女たちの豊富なテクノやハウスのサウンド知識がいかんなく発揮されていてこれこそ胸張って「エレクトロアルバムです」と言える仕上がりになっている。だからあえて私は彼女たちを大賞にした。

総評
くだらない音楽が巷に流れていると思ったならそれは大半がエレクトロだ。君たちの嫌いな三代目やGENERATIONSはバキバキのEDMだし大半のアイドルは室内でパソコンで作られたエレクトロダンスになっている。だとしたらエレクトロはくだらない音楽なのだろうか。パリピに消費される、音楽というよりはアクティビティーに近い玩具なのだろうか。私はそれは認めたくない。どこまでも奥深く時間を忘れさせてくれるようなトリップ感を与えてくれる最高の音楽ジャンルだと、私はもちろん、多くの人がそう思っているに違いない。だとしたらもっとその理解を、その認識を多くの人に持ってもらわなければ。オシャレアイテムなんかじゃなくて、そんな上っ面じゃなくて真剣に愛したらとんでもない世界へ連れてってくれるんだと、それをテレビから発信していってほしいと常々思う。






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