ここでは2018年12月から2019年11月までに発売、リリースされた楽曲の中で好きだった曲をランキングで100曲紹介する。1位は要するに最優秀楽曲賞、ということになる。発表自体が2018年12月以前のものでもリリース自体が期間内であれば対象とする。カバーやリミックスなど、基本的になんでもありだが、ランキングの面白みを担保するために、同一アルバムからの選出の場合はよほどのことがない限り表題曲のみにしている。

頑張って全部にリンクをつけたので、気軽に眺めて「あーこの曲今年か!」と懐かしむとともに新発見の場として活用していただけると幸いだ。

 

100~21位

100位  VaVa – Chapter
99位  Lucky Kilimanjaro – FRESH
98位 椎名林檎 – 鶏と蛇と豚
97位 KIRINJI – Almond Eyes feat. 鎮座DOPENESS
96位 BUMP OF CHICKEN – 流れ星の正体
95位 香取慎吾 – 10%
94位 Mega Shinnosuke – O.W.A.
93位 中田ヤスタカ – ぴこぴこ東京 (feat. 眞白桃々)
92位 Suchmos – ROLLCALL
91位 BBHF – なにもしらない
90位 OKAMOTO’S – Dreaming Man
89位 あいみょん – 夢追いベンガル
88位 DJ JAM (YENTOWN) – Sky Limit feat. WILYWNKA
87位 フィロソフィーのダンス – ヒューリスティック・シティ
86位 八十八ヶ所巡礼 – JOVE JOVE
85位 SEKAI NO OWARI – LOVE SONG
84位 BALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBE – テンハネ -1000%-
83位 Official髭男dism – Pretender
82位 NORIKIYO – 神様ダイヤル
81位 chelmico- switch
80位 Daichi Yamamoto ” Let It Be Feat. Kid Fresino
79位 雨のパレード – Summer Time Magic
78位 嵐 – Turning Up
77位 ネクライトーキー – めっちゃかわいいうた
76位 SANTAWORLDVIEW – Pink juice
75位 King Gnu – 白日
74位 coldrain – THE SIDE EFFECTS
73位 FIVE NEW OLD – In/Out
72位 女王蜂 – 火炎
71位 LISACHRIS – MYCHY MAUS
70位 赤い公園 – 凛々爛々
69位 SANABAGUN. – Sweet dreams feat.藤原さくら
68位 NakamuraEmi – 雨のように泣いてやれ
67位 Mrs. GREEN APPLE – Attitude
66位 山下智久 – Reason
65位 MONO NO AWARE – 言葉がなかったら
64位 SEKAI NO OWARI – Food
63位 みゆな – 缶ビール
62位 YonYon, 一十三十一 (Hitomitoi) – Overflow (変身)
61位 DYGL – Don’t You Wanna Dance in This Heaven?
60位 神宿 – CONVERSATION FANCY
59位 どんぐりず – powerful passion
58位 Cocco – 海辺に咲くばらのお話
57位 tricot – 大発明
56位 小林星蘭 – ジンカンバンジー ジャンプ!
55位 ゆいにしお – 帰路
54位 Mississippi Khaki Hair – Phone Call
53位 スキマスイッチ – 青春
52位 Taeyoung Boy – Playa
51位 Mega Shinnosuke – Wonder
50位 homecomings – Cakes
49位 MIYACHI – MESSIN FEAT. JAY PARK
48位 上白石萌音 – 永遠はきらい
47位 あっこゴリラ – GRRRLISM
46位 FIVE NEW OLD – Fast Car
45位 KOHH – I Want a Billion feat. Taka
44位 向井太一 – I Like It
43位 Tempalay – のめりこめ、震えろ。
42位 パソコン音楽クラブ − reiji no machi
41位 Hey!Say!JUMP – ファンファーレ!
40位 Babymetal – Elevator Girl
39位 ウカスカジー – We are not afraid
38位 AIRFLIP – Dear Friends
37位 Mall Boyz (Tohji, gummyboy) – Higher
36位 マカロニえんぴつ – ブルーベリー・ナイツ
35位 ドミコ – ペーパーロールスター
34位 FNCY – FNCY CLOTHES
33位 Seiho – I Feel Tired Everyday
32位 never young beach – 春らんまん
31位 羊文学 – ロマンス
30位 サカナクション – 忘れられないの
29位 teto – 蜩
28位 水曜日のカンパネラ & yahyel – 生きろ。
27位 星野源 – Pop Virus
26位 SUSHIBOYS – 高速道路
25位 KANDYTOWN – Last Week
24位 中村佳穂 – LINDY
23位 RIRI, KEIJU, 小袋成彬 – Summertime
22位 君島大空 – 遠視のコントラルト
21位 赤い公園 – Highway Cabriolet

 

20位~11位

20位 ONE OK ROCK – stand out fit in

歌のテーマが日本では歌われにくいことで、それは彼らが世界で戦っているからこそかけるもの、日本でぬくぬくしていてもこのヒリヒリ感は出ない。ワンオク史上ナンバーワンの楽曲。これがアンセムにもならなければメッセージもつたわらないならファン失格だしこの時代に生きる資格もないと思う。

 

19位 星野源 – Same Thing (feat. Superorganism)

できることなら世界ツアーを、一緒に、廻ってほしい野源….。

 

18位 Suchmos – In The Zoo

Radioheadか、Oasisか。そのどちらでもない、どちらでもあるような、少なくとも日本に彼らのようなバンドはこの規模感ではいない。

 

17位 DYGL – Hard To Love

アンセム誕生。みんなで歌いたい。フェスのメインステージで聴きたいな。ライブハウスじゃなくて。

 

16位 Negicco – I LOVE YOUR LOVE

Negiccoにしては久々のダンスファンクチューン。西寺郷太のポップネスへの攻め方はいつも素敵である。

 

15位 RADWIMPS – 祝祭 (Movie edit) feat. 三浦透子

「天気の子」から一曲。瑞々しい三浦の歌声と野田らしいメロセンスが絶妙なシンクロを果たしている。

 

14位 ミツメ – なめらかな日々

見事なバランス。彼ららしい気怠さとまっすぐな姿勢に神経がほぐれる。

 

13位 YAJICO GIRL – NIGHTS

彼を知ったのは11月末で、残念ながらアルバムランキングには間に合わなかったんだけど、鬼リピしてるアーティスト。特に一曲目のNIGHTSの中毒性はピカイチ。

 

12位 Official髭男dism – 宿命

決して私はこの曲から才能や天性みたいな言葉は思い浮かばない。たゆまぬ努力と創意工夫の賜物であると思っている。

 

11位 THE RAMPAGE from EXILE TRIBE – THROW YA FIST

なぜベスト10に入れなかったのか謎。自分でも謎。かっこいい。LDHのダサイメージをひっくり返してくれた逸材。

 

 

10位~2位

10位 iri – Wonderland

iriがJPOPになってしまった!
これは当然褒めている。彼女特有のクールさとチルさが良い方向でJPOPと邂逅している。それがこの傑作を生んだと思うし、意思を感じる。

 

 

9位 星野源 – さらしものfeat. PUNPEE

今年の星野源の精力的な活動には驚いた。年始のマークロンソンの対談からのゲスト出演、Superorganismの野口オロノとのコラボ、トムミッシュとの共作、そしてPUNPEEのフックアップ(そして年末にはアップルのCEO、ティムクックとの対談!!)。もちろんPUNPEEがすでに有名な人であることは言われなくても分かっているが、それを星野源が取り上げることに意義がるように思う。稀代のポップスターが今世間に届けられること全てに挑戦しようとしている。世界に相手立ってプロモートしようとしている。彼に何が必要かはまだ検証可能だとは思うが、2020年、オリンピック。世界が日本に目を向けるとき、彼が何をするのか。楽しみだ。

 

 

8位 SILENT SIREN – 恋のエスパー

シンプルにかわいい。ひなんちゅがかわいい。どうしたらいいんだ。胸がドキドキする(だいぶキモい)。これには深い意味はない。あるわけがない。かわいい、楽しい、歌いたい、また見たい。好きだ。いいじゃないですか音楽ブロガーが性欲を丸出しにしても。まだ20代だからこんなの可愛いもんでしょ。

 

 

7位 [ALEXANDROS] – あまりにも素敵な夜だから

日本においても「いかに1975っぽくできるか」みたいなパイの取り合いが起き始めているのはちょっとテンションが上がる。「Aoyama」とかやっていた頃よりははるかにこなれた感じで曲が作れていて、コーラスワークも自由で振れ幅があって楽しい。それなりにキャリアを積んでももう一歩先へ行けないのは「KABUTO」の受け入れられ方ひとつとってもわかりやすい。
私はなんて言われようが彼らを応援したいし、日本一絵になるバンドだと思っているので、どうにかこうにか世界で売れてほしい。ならばこの曲で、せめて英語で、もう少しメロの起伏を減らして。そんなことを考えたり、考えなかったり。

 

 

6位 Mrs. GREEN APPLE – ロマンチシズム

ダイナミックでハッピーオーラを包み隠さずグッと顔を近づけて歌ってくれてるような逞しさがある。これぞミセスのポップス術の真骨頂であり最高峰だと感じる。そうそう、こうでなきゃ!!と、近年の無理強いなポップス路線が少し不自然に感じていた自分にとってはこの帰還は素直にうれしい。

 

 

5位 RADWIMPS – グランドエスケープ feat.三浦透子

〈公式動画なし〉

三浦透子という逸材を見つけてきた発掘力にはやはり唸るほかない。いかにも野田洋次郎が書きそうな歌詞を誰が一番うまく歌えているかの選手権があれば彼女が圧倒的な差をつけて優勝するだろう。それくらいにぴったりな人選だ。生ドラムにしなかった判断も素晴らしいし、ギターを捨ててシンセに移ることで雨模様がくっきりと輪郭を表して、ラストの盛り上がりがとんでもなくエモくなっている。近年のバンド活動内でのゴスペルへのアプローチであったりエレクトロダンスな取り組みがこのような形で結実しているのは端的に喜ばしい。これがラッドだ見たかコノヤロー!!!!とファンが勝手に鼻息荒くした一曲。

 

 

4位 DYGL – A Paper Dream

UKロック直産、とか言っておけば安易に語った気になれるが、もう少し踏み込んで考えてみたい。よく考えたら、最近このルーズさを持ったバンドってあまりメジャーシーンにいない気がする。それはヒップホップ全盛だからとかそういう理由ではなくて、インディーズにはそれなりに揃っているけど、イマイチ波に乗れていない。まだ少し古い香りがする(私は大好物過ぎて全くそうは思えないのだが)。という事はつまりまだ時代が一周していないだけなのか。

 

3位 ネクライトーキー – こんがらがった!

「価値も意味もないような かわいいだけの歌になればいいな」の歌いだしで始まるのは「めっちゃかわいいうた」だが、そのスタンスは彼らのある意味でスタンダードな部分なんだと思う。
でも一方でとてもクリティカルな視点も持ち合わせていて、ロックのアティチュードも忘れていないのは「今僕らにとって大切なもんって 皆殺しのメロディだけ」と歌うこの「こんがらがった!」ですぐに理解できる。でもなんだろうこの高揚感は。ただのポップスと定義できないのにあからさまにキャッチーなのだ。こんな見え透いたウケ狙いのバンドは山ほどいるのに、彼らにだけは特別な感情がわいてくる。まだまだわからないことだらけ。アルバムをもう10回聞けばわかるんだろうか、あるいは新譜ではっきりするんだろうか。

 

 

2位 RADWIMPS – 愛にできることはまだあるかい

「天気の子」の主人公・瀧の少し破滅願望、自分中心的でクローズドな世界観は受け付け難いところもあったんだけど、この曲を聴くとまた違って感じられる。そしてなにより新海監督のインタビューでその世界の深さに気付いた。そして監督自身もこの作品のテーマに気付けたというパンチライン「愛にできることはまだあるかい」はあまりに秀逸。この世界軸のこのタームで出たことは必然のようにも思う。不景気と自己喪失、将来の展望への絶望。全部があまりに地獄的な世界に”標語”レベルではなく事実としてまざまざと見せつけられるこの数年で、洋次郎の「愛にできることは”まだ”あるかい」という自問自答にもつながる歌詞は一体に何を映しているのだろう。そんなことばかり考える。
そしてストリングスの圧倒的な支配力。これだけうまく使いこなせるポップミュージシャンはそう多くない。少なくとも今第一線のロックバンドでは右に出る者はいないだろう。素晴らしいの一言。あっぱれ。大傑作。「なんでもないや」を優に超える名曲。この時代にはっきりと突きつけられたものに、私たちは誰も答えることはできない。

 

 

 

最優秀楽曲賞

1位 折坂悠太 – 朝顔

 

美しい。Aメロがひたすらに寂しいのにサビで情熱的で刹那的な響きが愛おしくてそのたびに涙がポロリと零れ落ちそうになる。「君が朝を愛するように」「君が朝をおそれぬように」と君がひたすらに明るく力強さを示す一方で「暗闇に呼んだその名を胸にきつく抱き 願う」で締めるこのセンテンスのキレ味。
「色はなんか? 」
「群青!淡紅!」
「そりゃ結構」
「そりゃ上々」
この曲に出会わせてくれてありがとう。本当にありがとう。いつも、ずっと、これからも大切な人と一緒に聴きたい曲になりました。

 

 

総評

特にドラマを見ていたわけでもないけど「朝顔」は曲単体として美しすぎた。全体的に”楽しい”よりも”美しい”ものが多かったのは、今年の特徴かもしれない。また、年々ウェイトを占めつつあるヒップホップも健在で、ベスト10にこそ入ってこなくてもKohhやMIYACHI、VaVa、KANDYTOWN、Taeyoung Boy、鎮座DOPENESSなど彩り豊かなメンツがいる。ロックはかなりソリッドなものが多くて(実はと言うとThe Novembersを入れるのを完全に忘れていた)、そういった意味でも時代感はそれなりに出てるのかな、なんて思ったりも。とりあえず今年は去年よりも豊作な一年でした。

 

spotifyでプレイリストも作ったので是非!!!!



 

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