ここでは、エレクトロやダンスミュージックに含まれる楽曲を制作したミュージシャンに贈られる。

優秀賞

ケンモチヒデフミ

Yackle

Dj jam

LISACHRIS

SEKAI NO OWARI

長谷川白紙

Seiho

大賞

サカナクション

待望の、待望のアルバム発売。ここまで出る出る詐欺を繰り返すのは世界でもカニエウェストか山口一郎しかいない。「どうせシングル集みたいな感じになるんだろう」という予想を裏切り(私はそんな予想はしていないぞ)、既発曲も含めて一つのストーリーに組み込まれた見事な構成で仕上げられていて、文句の付けどころがなかった。新曲は程よくバラエティに富んでいて、懐かしさと新鮮さをバランスよく並べている。一方でエモーショナルな楽曲が多い既発曲を要所要所でターニングポイントとして使い分け、全体をクールにかつ情緒豊かにさせている。
あまり彼自身を信用しないところはあるけれど、考えていることは素晴らしいし、いかに音楽を広めるかの活動は素直に感謝するしかない。
過大評価はしたくないが、決して過小評価してはならない存在だ。

総評
サカナクションと双璧をなしたのは、水曜日のカンパネラのコンポーサーでもあり、自身のソロアルバムも今年リリースしたケンモチヒデフミだ。本当に甲乙つけ難かったのだが、ここは影響力の大きさを鑑みてサカナクションにした。長谷川白紙というニューホープの存在やSeihoの冬にリリースされた楽曲の美しさなど、今年もエレクトロサウンドには随分楽しませてもらった。
2010年代を振り返ると、エレクトロは外せないキーワードなわけで、それこそEDMだとかダブステップだとか、いろんな音楽的タームが世界では存在した。日本でも、まさにサカナクションの台頭などが挙げられるし、ロック大国の日本でもやはりダンスミュージックの波は大きかったように思う(でもEDM系のアーティストが登場しなかったのは日本の土壌なんだろうな)。
ロックに回帰するかどうかは分からないし、そんなすぐに戻るとは思わないけど、このさきこのジャンルの日本での受け止められ方には非常に興味がある。



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