2月に聴いたアルバムをまとめました。アーティスト名 – アルバム名でで表記。「曲 構成 ノリ メロディ 中毒性 後味 表現力 好き」の各10点、計80点満点で好みを数値化しています。

邦楽

キュウソネコカミ – ハリネズミズム (3 3 4 3 3 3 2 2=23)
突然少年 – 辺りを見渡せばきっと側に誰かいる (5 5 6 5 4 4 5 4=38)
東京パピーズ – 地球儀 (5 5 7 5 4 5 4 5=40)
FANTASTICS from EXILE TRIBE – FANTASTIC 9 (6 4 7 4 5 5 4 5=40)
大原櫻子 – Passion (6 6 7 5 6 5 5 5=45)
坂口有望 – shiny land (6 6 5 5 5 6 6 6=45)
神様クラブ – JURA (6 5 6 7 6 6 6 5=47)
のっぺら – みに板西 – EP (6 3 6 7 7 6 7 6=48)
Little Glee Monster – BRIGHT NEW WORLD (7 6 7 7 5 5 6 6=49)
眉村ちあき – 劇団オギャリズム (7 5 7 6 7 6 6 6=50)
里咲りさ – スパーク (6 6 6 7 7 6 6 6=50)
SCANDAL – Kiss from the darkness (6 6 6 7 6 6 6 7=50)
あっこゴリラ – ミラクルミー E.P. (7 4 7 7 6 6 6 7=50)
メメタァ – いつかの僕が見た夢 (6 6 7 7 7 6 6 6=51)
Normcore Boyz – MEDIAGE (7 6 6 6 7 6 6 7=51)
gummyboy – The World of Tiffany (7 5 7 7 6 6 6 7=51)
阿部真央 – まだいけます (6 5 8 6 7 7 6 7=52)
リベラル – Surrearhythm (7 7 7 6 6 6 7 6=52)
角銅真実 – oar (6 8 5 6 6 7 8 6=52)
sleepy.ab – fractal (7 6 6 6 7 7 7 6=52)
Kaco – ノルカソルカ – EP (7 5 7 7 6 7 7 6=52)
SHISHAMO – SHISHAMO 6 (7 6 6 8 6 6 8 6=53)
ネクライトーキー – ZOO!! (6 6 7 8 7 6 6 7=53)

Eve – Smile (6 8 6 6 7 7 7 6=53)

時に米津玄師のような、一方でアップテンポではサイダーガールっぽさもある歌声。前半と後半では印象がまた異なるような、歌声を持つEve。まだこの人が一体何者でどんな音楽をルーツに持つとかは知らないのだが、とても面白い音楽をするなというのが正直な感想。好みの声と音かと問われれば微妙ではあるのだが、それでも十分聴きごたえのあるアルバムだった。

MISIA – MISIA SOUL JAZZ BEST 2020 (7 7 6 6 7 6 8 6=53)
リーガルリリー – bedtime story (7 7 6 7 6 7 7 7=54)
足立佳奈 – I (7 7 8 7 6 6 6 7=54)
斉藤和義 – 202020 (8 7 6 7 6 7 7 7=55)
HIROOMI TOSAKA – Who Are You? (7 6 8 7 7 7 6 7=55)
Lucky Kilimanjaro – !magination (7 6 8 8 6 7 7 7=56)
BREIMEN – TITY (7 8 8 7 6 6 7 7=56)


羊文学 – ざわめき – EP (8 6 7 8 8 8 8 7=60)

羊文学は決して新作の度に新しいモードを提供してくるバンドではない。だけどその地続きの延長線上に見せてくれる進化は深化にもつながっていて、底知れぬパワーを感じる。よりソリッドに、よりディープに言葉を紡いでいき、彼ららしいサンドがそれをポップスに洗練していく。数多くない楽器で、ここまで表現の幅を魅せられるのは若手でもあまりいないと思う。


NakamuraEmi – NIPPONNO ONNAWO UTAU BEST2 (7 7 7 8 8 8 8 7=60)

彼女のことはずっと好きで、イマイチ知名度上がらないのが納得いっていない。(ちょっとうっとおしいのは分からなくもない)
でも去年みたフェスでの彼女のライブに思わず泣いてしまって、その曲が入ってて聴くたびにその時のライブを思い出す。真っすぐな言葉に嘘偽りないのは彼女に限らずよくいるパターンなんだけど、そこに人間性と説得力があると重みが変わってくる。決して自分に歌われた歌ばかりでもないのに、ここまでグッと心つかまれてしまうのは自分でも不思議だなあと思う。


tricot – 真っ黒 (8 8 7 7 7 8 8 8=61)

中嶋イッキュウの近年の多忙ぶりと、バンドの成熟ぶりは比例しているように見える。確実に世界に腰を据えて活動出来ていて、すっごく面白いこと考えてんだろうな、と思った通りのコンセプチュアルなアルバムが仕上がった。いい具合にくどいメロディが浄化されて、海外にも適応したシンプルな楽曲もあったり、一方でテンションを最大にまで高めてストレートなロックソングをリードトラックにしてみたりと、多彩な姿が印象的。いま、個人的にロックアルバムを通して聴きたいと思えることが少なくなっている中で、これは何度も通して聴く価値のあるアルバムだと思う。


BIM – NOT BUSY – EP (9 5 8 8 9 9 9 9=66)

EPをアルバムとするかシングルとするかは意見が分かれそうなところなんだけど、個人的には5曲以上が条件だと勝手に決めている。でも、フルレンスとはやはり差をつけたいなと思って、曲が8曲より少ないと構成点で差をつけているのが実情。だからEPがどれだけよくても、そうそう簡単にアルバムランキングで上位に来ることはないという仕組みを取っている。
で、このBIMのEPなんだけど、6曲なので当然構成点が5点と低めをつけている。なのにその6曲があまりに好きすぎて他がずば抜けて高くなってしまい、結果66点と年間ベスト当確レベルの点数をたたき出してしまった。果たしてこれが一過性のものなのか、本当に傑作なのかはまだ分からないところだが、これはちょっと今までにない展開で、自分で点をつけておきながら興奮している。本当によすぎるので必聴である。


GEZAN – 狂(KLUE) (9 9 9 7 8 8 9 9=68)

圧倒的破壊力。エネルギーが次元違う。これが2020年に出る必然性を感じる。ああ、こういうことなんだな、と納得する。

洋楽

Caspian – On Circles (5 3 6 6 4 5 6 4=39)
PUSS N BOOTS – sister (4 4 4 5 6 6 6 4=39)
Testiculo y Uno, Hulk Hodn & Twit One – Two (6 4 4 6 4 5 5 5=39)
Somos La Herencia – Dolo (6 6 5 5 6 6 6 6=46)
tennis – Swimmer (6 6 5 5 6 4 5 5=42)
Kiwi jr. – Football Money (6 6 7 5 5 5 6 5=45)
IZ*ONE – BLOOM*IZ (7 4 7 7 5 5 5 6=46)
The Innocence Mission – See You Tomorrow (6 6 5 6 6 6 6 6=47)
Georgia – Seeking Thrills (6 5 6 6 7 6 7 6=48)
Oh Wonder – No One Else Can Wear Your Crown (7 6 5 6 6 6 7 6=49)
Grimes – Miss AnthroPocence (6 6 6 6 5 6 6 8=49)
Quintin Gerard W. – Cleared for Takeoff (6 7 5 6 6 7 7 5=49)
COIN – Dreamland (6 6 6 6 6 6 7 6=49)
New Hope Club – New Hope Club (6 7 6 7 6 6 6 6=50)
EVERGLOW – reminiscence -EP (7 4 7 7 6 6 6 7=50)
Green Day – Father of All… (7 7 8 7 5 5 6 6=51)
Khushi – Strange Seasons (6 5 6 7 6 8 8 5=51)
Soccer Mommy – color theory (7 7 7 6 6 6 6 7=52)
The Big Moon – Walking Like We Do (7 6 6 6 7 7 7 6=52)

Andy Shauf – The Neon Skyline (7 7 6 6 7 7 7 6=53)

Beach Bunny – Honeymoon (7 7 6 7 6 7 6 7=53)

King Krule – Man Alive! (6 8 6 6 7 7 8 5=53)

La Roux – Supervision (7 7 7 6 7 6 7 7=54)

Squarepusher – Be Up A Hello (6 7 6 7 8 6 8 6=54)

Obongjayar – WhicWay is Forward? (8 6 7 6 7 7 7 7=55)


HMLTD – West of Eden (7 7 7 7 8 7 8 7=58)


ロンドンから登場したバンド、HMLTD。そのいで立ちは煌びやかでファッショナブル。自己主張のかたまりで、そこは音楽とも相関性が高い。エレクトロなサウンドに統一性はなく、急にパンキッシュな音が混じったり、かと思えば禍々しい雰囲気を帯びた楽曲が流れて来たり。節操がないと言えばそれまでだが、そのカオス感が彼ら自身のアイデンティティと繋がっているような気がして、そこも含めてエンターテインメントとして満点だなと思う。


EDEN – no future (8 8 7 9 8 9 8 8=65)

多重録音と過剰なリヴァーヴで荘厳さ満開の「good morning」から始まるアルバム。Ásgeirのような、サムスミスの懐の深さも感じる歌声に重ねられる実験的なサウンド。でも根底は美メロポップスで、人懐っこさとその温度は快適そのものだ。クールなビートに乗っかる生暖かい歌声はどの曲通しても健在で、一曲ずつがコンパクトなのも聴きやすくてよい。妙に時間をかけずに矢継ぎ早に展開していく潔さもある。「just saying」のようなソフトとハードが入り混じる曲も冒頭の荘厳さに回帰するような印象を抱く。まさに”音楽”を聴いているような、そんな原体験に近い物を感じさせてくれる一作だ。