ここでは今年最も輝いたソロミュージシャンに贈る。

優秀賞

あいみょん

森山直太朗

中村佳穂

Awich

春ねむり

七尾旅人

warbear

藤井隆

原由子

坂本慎太郎




大賞

宇多田ヒカル

明らかに逸脱したメロディ、UKハウスやジャズのおもむき。日本語の解体と再構築。「BADモード」というフレーズチョイスとその斬新さ、そして今の日本人にはない価値観と言葉。でもどこか言葉に出来ない何かを的確に提示し、A. G. Cookのようなグライム、ドリルンベース、Floating Pointsのクラブとジャズのミクスチャーのような楽曲など、錚々たる面々とコライトし豊潤な作品を仕上げた。サウンドプロダクションに関して完全に他の者を押さえ、圧倒的王者として君臨した。

総評

宇多田ヒカルのソロパフォーマンス部門での受賞は2016年以来2度目。より歌と意味に重きが置かれていた復帰作「Fantôme」に比べてかなりサウンドへと偏重し、ダンスミュージックへの傾倒が感じられたのは、Beyonceの同じく新作の「Renaissance」とダブる。ワードセンスとアグレッシブさで際立った春ねむりや、ポエトリーでありながら核心に迫るメッセージを歌う七尾旅人など、私にとっても「詞」が大きく意味を持つ一年だったように思う。その一方で藤井隆や原由子など、懐かしのサウンドを一番新しいモードで提示する音楽に感動した一年でもあった。

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