コロナのせいで話題になる映画がある。感染映画だ。特に、「コンテイジョン」はまるで予見していたかのような展開に多くの人が不安になり、くぎ付けになった映画の一つだろう。映画は人間の心理の写し鑑とも(私が勝手に)言うが、こうやって再び社会情勢に合わせて旧作品が掘り返されることはなにもこれが初めてではない。

ワールド・ウォーzも、広くいえば感染映画であり、そのパニックを描いた作品である。

ブラッド・ピット主演、「007 慰めの報酬」「ネバーランド」のマーク・フォースター監督のメガホンで、マックス・ブルックスのベストセラー小説を映画化したパニック大作。突如発生した謎のウィルスが瞬く間に世界中へと広がり、各国の政府や軍隊が崩壊状態に陥る。元国連捜査官で、伝染病の調査や紛争国での調停役を務めた経験をもつジェリーは、旧知の仲の国連事務次官ティエリーに呼び出され、ワクチン開発の情報収集のため各国をめぐる調査隊に同行するよう依頼される。ジェリーは妻と娘2人を安全な国連指揮艦の空母にかくまってもらうことを条件に依頼を引き受け、ウィルスの謎を解明するため混乱する世界へ旅立つ。

ゾンビ映画ではあるが、もともとゲームがオリジナルの作品なので、いかにしてゾンビと戦うかをアクションとして描くバイオハザードシリーズとは異なり、その圧倒的なスピーディさと量を描きつつワクチンを手に入れるまでのハラハラ感を楽しんでもらう映画になっている。

ブラットピットが持ち前の強運と逞しさで家族を守り、発生源の特定とワクチンの発見、奪取にまで大奮闘する。さすがブラピ。

こまかなストーリーの筋はあまり気にせず、中盤までの圧倒的ゾンビの数とそ全力疾走のゾンビの姿を堪能してほしい。後半は笑いながら観ればいいと思う。