SF大作を2021年に再びスクリーンに。3時間近い長尺で壮大な宇宙と星々を描くスペクタクル作品。

「ブレードランナー2049」「メッセージ」のドゥニ・ビルヌーブ監督が、かつてデビッド・リンチ監督によって映画化もされたフランク・ハーバートのSF小説の古典を新たに映画化したSFスペクタクルアドベンチャー。人類が地球以外の惑星に移住し、宇宙帝国を築いていた西暦1万190年、1つの惑星を1つの大領家が治める厳格な身分制度が敷かれる中、レト・アトレイデス公爵は通称デューンと呼ばれる砂漠の惑星アラキスを治めることになった。アラキスは抗老化作用を持つ香料メランジの唯一の生産地であるため、アトレイデス家に莫大な利益をもたらすはずだった。しかし、デューンに乗り込んだレト公爵を待っていたのはメランジの採掘権を持つハルコンネン家と皇帝が結託した陰謀だった。やがてレト公爵は殺され、妻のジェシカと息子のポールも命を狙われることなる。主人公となるポール役を「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメが務めるほか、「スパイダーマン」シリーズのゼンデイヤ、「アクアマン」のジェイソン・モモア、ハビエル・バルデム、ジョシュ・ブローリン、オスカー・アイザック、レベッカ・ファーガソンら豪華キャストが集結した。

映画.comより

はっきり言って賛否は分かれてしかるべきだったと思う。私は楽しみ方を模索したまま見つからず終わってしまった人間だ。

もちろんこれがおもしろいと感じる人の意見もよくわかるし、よくわかるからこそ、そこを面白いと感じられるのかー羨ましいなあー自分にはない感覚だなーとなる。

映像はさすがの美しさ。爆発の美しさもスピリチュアルな表現もうまくできていて、観る価値はある。あるが、なにせ少しじれったい。続編ありきだとどうしてもじれったくなる。それを楽しみとしてとっておくことができるわけでもなく、ただ単純に疲れだけ残る。

ティモシーシャラメの彫刻のような顔面は見どころであるものの、なにせ辛気臭いのといちいち味の濃い演技のおかげで胃にもたれるものがある。

ちなみにこの作品で気づいたことが一つあって、それは「未来予知できる主人公嫌い」ということ。ならばスターウォーズのアナキンスカイウォーカーだってそうじゃないかといわれればその通りなんだけど、ただよくよく考えればアナキンの予知夢に苦しむくだりもストーリー自体に魅了されてなかったらまあまあくどいなと思う。

未来予知ができる主人公がいると、そのシーンを度々見させられる羽目になるのがお決まり。それを耐えられるかどうかがこの映画のカギになっていく。そして大体は「心配し過ぎよ」と周りのキャラクターがその未来を軽視していくのもお決まりなので、その温度差にもイライラしながらぐっとこらえてストーリーを追いかけたい。

次作は多分見ないだろう。