ニコラスケイジの素晴らしい演技が光る名作。クリスマスシーズンだからこそ観たい作品。
多忙なビジネスマンが別の人生を生きることで愛の大切さを知るラヴ・メルヘン。監督は「ラッシュアワー」のブレット・ラトナー。脚本はデイヴィッド・ダイアモンドとデイヴィッド・ワイスマン。撮影は「ワンダー・ボーイズ」のダンテ・スピノッティ。音楽は「プルーフ・オブ・ライフ」のダニー・エルフマン。衣裳は「あの頃ペニー・レインと」のベッツィ・ハイマン。出演は「60セカンズ」のニコラス・ケイジ、「ディープ・インパクト」のティア・レオーニ、「ミッション・トゥ・マーズ」のドン・チードル、「ベリー・バッド・ウェディング」のジェレミー・ピヴェンほか。
映画.comより
朝目覚めたら別世界線にいた!というのは割とある展開(当時多かったのかは不明だけど)だが、とにかく見やすくて、心にくる。泣けるとかではなく、じんわりとあったかくなる。すこし黄金パターン過ぎてくどい部分もあるけれど、やなやつが登場しないのでやっぱり心温まる映画だなあと感じる。
まあ映画なので仕方がないのだけど、金持ちで独身と貧乏で家族持ちはトレードオフでもないし、どちらか一つしか選べないものではないんだけど、でもこの極端な二つを経験するからこそ主人公の価値観が揺るがされるのだ。空港で最後に語り合う二人で終わる演出は見事で、何を話しているのか想像が膨らむ。今までの事、あの時の事、そして彼が見たパラレルワールドの事。いろいろあるだろうけれど、これから彼らがどう進んでいくのか。それが観てみたくなる。
ちなみにこの作品は典型的な白人の勝ち組ロマンスムービーで、黒人は銃を持ち乱暴で貧しく都合よく主人公に気付きを与えるだけで彼自身が幸せになったのか(むしろ地位自体は下がっているように見える)も不明なバランスの悪い出来になっているが、この時代の産物なのであまり気にしない方が良い。いい作品には違いないのだから。