才色兼備の国務長官とうだつのあがらないジャーナリストとの恋愛をシニカルに描いた、シャーリーズ・セロンとセス・ローゲン主演のラブコメディ。アメリカの国務長官として活躍するシャーロット・フィールドは目前に控えた大統領選の選挙スピーチ原稿作りをジャーナリストのフレッドに依頼する。常に世間から注目され、脚光を浴びるシャーロットと行動をともにするうちに、彼女が高嶺の花であることがわかっていながらフレッドは恋に落ちてしまう。しかし、この恋にはクリアしなければいけないさまざまな高いハードルが待ち受けていた。シャーロット役をセロン、フレッド役をローゲンがそれぞれ演じるほか、オシェア・ジャクソン・Jr.、アンディ・サーキス、アレクサンダー・スカルスガルドらが脇を固める。監督は、ローゲンとは「50/50 フィフティ・フィフティ」でもタッグを組んだジョナサン・レビン。

映画.comより

定番のラブコメの逆パターンというべきか、ワーキングウーマンとそれをどんなことがあろうとサポートしようとする武骨でちょっと気性は荒いがまっすぐな男。徹底してコメディなのだが、ジェンダー観をひっくりかえしてみたり、共和党支持者と民主党支持者の対立や黒人のクリスチャン、アジアンと白人の恋仲といったアメリカならではのステレオタイプや偏見をおもしろおかしくかつクリティカルに描いている。差別を助長する表現もあるがそれらはいずれも棄却され、誰かにかならずいなされる。ラストの「生理の日に核ミサイルボタンおさないといいけどねwww」「情緒がやばいからねwww」と最低なジョークを飛ばすキャスターたちに、間に座っていた女性がブちぎれてスタジオから飛び出すシーンなどが最たる例だろう。(その後も彼らは「おっと彼女のも生理みたいだぜwww」とか言ってるので始末に負えない)

多くの人がしていきしていることだが、もはや「男女逆転」が”ナウい”ものではなくなり、「逆転なんて言葉すらおかしくない?」がスタンダードになりつつある今においてこの映画がそこまでジェンダーへのカウンターパンチになるとは思わないが、作品自体は抜群におもしろく、セスローゲンが下ネタでぶっちぎってくるが、それも彼なりの自省はおのずと込められていたようにも思う。

続いて音楽です。

作中にも実際歌唱して登場するBoyz II Men。

Boyz II Men – Motownphilly

Boyz II Men – It’s So Hard To Say Goodbye To Yesterday

Big Thief – Shark Smile

Aretha Franklin – Bridge Over Troubled Water