ここでは2018年に私が聴いた邦楽のアルバム179枚の中から最もよかった50枚をランキング形式で発表する。個人的に好きだったアルバムのランキングであり、作品自体の客観的な良し悪しを決めるものではありません。対象作品は、2017年12月から2018年11月までに発売(配信)されたものに限る。カバーアルバム(トリビュートアルバム)も含む。リマスターは対象外。
過去の年間ベストはこちら
2015年間邦楽アルバムベスト50
2016年間邦楽アルバムベスト50
2017年間邦楽アルバムベスト50
ではまず50位以内に漏れたアルバムを五十音順に紹介する。
50位以下(五十音順)
AAAMYYY – MABOROSHI WEEKEND
ART-SCHOOL – In Colors
iivvyy – iivvyy
青葉市子 – qp
AHMSAD – Almost Dying
amiinA – Jubilee
あゆみくりかまき – 大逆襲
iri – Juice
illmore – ivy
w-inds. – 100
AL – NOW PLAYING
EXILE THE SECOND – Highway Star
エドガー・サリヴァン – JAPONICA!!!
lol-エルオーエル- – lml
エレファントカシマシ – Wake Up
大森精子 – クソカワPARTY
岡崎体育 – OT WORKS
ONIGAWARA – GAWARA!
おやすみホログラム – 4
KANA-BOON – アスター
KANA-BOON – KBB vol.2
カネコアヤノ – 祝祭
カノエラナ – キョウカイセン
KIKUMARU – 711
KEYTALK – Rainbow
KIRINJI – 愛をあるだけ、すべて
Klan Aileen – Milk
クリープハイプ – 泣きたくなるほど嬉しい日々に
K – Storyteller
ケツメイシ – ケツノポリス11
国府達矢 – ロックブッダ
GLIM SPANKY – All Of Us
小西真奈美 – Here We Go
斉藤和義 – Toys Blood Music
SILENT SIREN – GIRLS POWER
SAKANAMON – …
サコウリョーマ – ISLAND…
佐々木亮介 – 大脱走E.P./The Great Escape E.P.
Suchmos – THE ASHTRAY
佐藤千亜妃 – SickSickSickSick
さとうもか – Lukewarm
SANABAGUN. – OCTAVE
Sano ibuki – EMBLEM
Sawagi – Kabo Wabo
SHISHAMO – SHISHAMO5
清水翔太 – Good Life
jan and naomi – Fracture
集団行動 – 充分未来
私立恵比寿中学 – でかどんでん
JiLL-Decoy association – ジルデコ8 〜Golden Ratio〜
SKY- HI – FREE TOKYO
ズーカラデル – 夢が醒めたら
SCANDAL – HONEY
鈴木愛理 – Do me a favor
ストレイテナー – Future Soundtrack
5lack – 夢から覚め。
SOIL&”PIMP” SESSIONS – DAPPER
ソフトタッチ – リビルド
sora tob sakana – alight
SOLEIL – SOLEIL is Alright
Taeyoung Boy × Droittte – SWEAR
剛斗 – 二十五念
DATS – Digital Analog Translation System ver.1
TAMTAM – Modernluv
D.A.N. – Sonatine
CHAI – わがまマニア
チャットモンチー – 誕生
TBAND-MAID – WORLD DOMINATION
tipToe. – magic hour
teto – 忘れた
DEPAPEKO – PICK POP!~J-Hits Acoustic Covers~
土岐麻子 – SAFARI
ときめき♡宣伝部 – ときおとめ
中田ヤスタカ – Digital Native
Nulbarich – H.O.T
虹のコンキスタドール – レインボウフェノメノン
Negicco – MY COLOR
ねごと – SOAK
乃木坂46 – 帰り道は遠回りしたくなる
Nod…Off – Somewhere
PAELLAS – Yours
パスピエ – ネオンと虎
HAPPY – STONE FREE
VaVa – Virtual
バンドごっこ – 終わりの始まり
VIDEOTAPEMUSIC – Souvenir
People In The Box – Kodomo Rengou
BIM – The Beam
he Wisely Brothers – YAK
FIVE NEW OLD – Too Much Is Never Enough
Phew – Voice Hardcore
フェアリーズ – JUKEBOX
04 Limited Sazabys – SOIL
BRIAN SHINSEKAI – Entree
BRADIO – YES
HEY!SAY!JUMP – SENSE or LOVE
the peggies – super boy! super girl!
PELICAN FANCLUB – Boys just want to be culture
Homecomings – WHALE LIVING
polly- Clean Clean Clean
ポルカドットスティングレイ – 一大事
MASAHIRO KITAGAWA – POLYHEDRAL THEORY
MASS OF THE FERMENTING DREGS – No New World
mabanua – Blurred
Mom – BABY LIKE A PAPERDRIVER
Mrs.GREEN APPLE – ENSEMBLE
Maison book girl – yume
妄想キャリブレーション – 妄想道中膝栗氣〜moso traveling
MONO NO AWARE – AHA
MONKEY MAJIC – enigma
もんのくる – RELOADING CITY
ヤバイTシャツ屋さん – Galaxy of the Tank-top
YOUNG HASTLE – Love Hastle
Youmentbay – Holiday
ゆるふわギャング – Mars Ice House Ⅱ
Yogee New Waves – SPRING CAVE
吉岡聖恵 – うたいろ
uri gagarm – For
ヨルシカ – 負け犬にアンコールはいらない
LUCKY TAPES – 22
RAMMELLS – take the sensor
RIRI – NEO
lyrical school – WORLD’S END
Lucie,Too – LUCKY
LEO今井 – VLP
惑星アブノーマル – 私は怒りでできている
warbear –warbear
Various Artists – X-FACTOR – EP
『』- ・・・・・・・・・
50~41位
50位 Bearwear – DREAMING IN.
49位 kamui – Cramfree.90
48位 butaji – 告白
47位 Perfume – Future Pop
46位 ゲスの極み乙女。 – 好きなら問わない
45位 Ghost like girlfriend – WITNESS
44位 PEDRO – zoozoosea
43位 RIRI – RIRI
42位 kZm – DIMENSION
41位 清水翔太 – WHITE
Bearwearは今後に期待が持てる。BiSHのアユニDのソロプロジェクト「PEDRO」は最近みないくらいにパンキッシュでロックだった。RIRIはワールドスタンダードなアーティストなので狭い日本に閉じ込められずのびのびとやってほしい。
40~31位
40位 NakamuraEmi – NIPPONNO ONNAWO UTAU Vol.5
39位 片平里菜 – 愛のせい
38位 水曜日のカンパネラ – ガラパゴス
37位 春ねむり – 春と修羅
36位 [Alexandros] – Sleepless in Brooklyn
35位 yonige – HOUSE
34位 Bird Bear Hare and Fish – Moon Boots
33位 Aqua Timez – 二重螺旋のまさゆめ
32位 aiko – 湿った夏の始まり
31位 Sweet William × Jinmenusagi – la blanka
解散したAqua Timezはラストアルバムにして過去最高の作品を作っていた。これだけ柔軟にジャンルを横断し、ポップに仕上げることができたのならまだまだやれそうなんだけれど、さすがにちょっと遅かったか。Sweet Williamは今年で会うことできて良かったと心から思える人だ。
30~21位
30位 小袋成彬 – 分離派の夏
29位 羊文学 – オレンジチョコレートハウスまでの道のり
28位 DAOKO – THANK YOU BLUE
27位 LILI LIMIT – LIB
26位 くるり – ソングライン
25位 STUS – Eutopia
24位大橋トリオ – STEREO
baseballbearの小出が始めたプロジェクト、マテリアルクラブは実験的ながら小出のポップスセンスがあふれている。ceroの新譜はさすがと言うほかない。tetoも良かった。あまりああいう音楽は好んで聴かないだけに、tetoは好きになれたのは意外だった。
20~11位
18位 maco marets – KINŌ
17位 Tempalay – なんて素晴らしき世界
16位 スキマスイッチ – 新空間アルゴリズム
15位 中村佳穂 – AINOU
14位 ヒグチアイ – 日々凛々
11位 折坂悠太 – 平成
折坂悠太は不思議なアーティストだ。昭和的で歌謡的で牧歌的。なのに新しい。新しいことなんてしていないはずなのに、わくわくしちゃう。こういう才能ある人たちはどこで腕を磨きどこから現れてくるのだろうか。ライブハウスで対バンしまくるみたいな人でもないだろうし。不思議だ。中村佳穂は出会うのがもう少し早ければまた違った結果になったはずだ。
10~1位
10位 わーすた – GIIRLS,BE AMBITIOUS!
単純に聴きやすい。歌いやすい。ノれる。深いこと考えずにとりあえず踊れる。聴ける。だから楽しい。それだけ。
9位 蓮沼執太フィル – アントロポセン
蓮沼執太がオーケストラを携えた。そして出来上がったのがこのアルバム。環ROYを迎えた「meeting place」など、とにかく緻密に、正確に音楽を作る。ポップなんだけど枠にはめ込まない自由な作風に感銘した。
8位 KID FRESINO – ai qing
ヒップホップだけどロック的なアプローチも感じられるのは、彼自身の音楽の多様性にあるのだろう。 Campanellaとのコラボやゆるふわギャングの二人、鎮座DOPENESSなど多種多様な人たちとコラボしてまさに鉄壁ともいえるアルバムを作りあげた。一つのジャンルに留まることのない快作だと思う。
7位 宇多田ヒカル – 初恋
海外基準のアーティストは彼女ぐらいしかいない、というのは言い過ぎかもしれないが、それくらいに他のアーティストを出し抜いている。セールスにおいても、音楽性においても、挑戦的姿勢においても。凝り固まった日本音楽業界をぶち壊してくれてるのに後に全然続かない。みんな日本を出ていくばかり。それでいいのか、カルチャーが乏しすぎないかこの国は、とすぐにネガティブになってしまうのはよくない。
6位 きのこ帝国 – タイム・ラプス
あっけからんと歌うのに、なぜか染み入ってしまう。きのこ帝国はいつでもドライだ。でも五感をくすぐる。文学性の高い歌詞、とはいわないが、でも聞き手にちゃんと提示してくれるので受け止めやすい。音が軽くなったとか言われてもう何年たつか、それでも彼らの楽曲は進化している。ただポップになったわけじゃない。それはアルバムを賭して聴けばわかると思う。
5位 AAA – COLOR A LIFE
AAAはもう何度も語っているけど、これだけ強固な楽曲をそろえていて誰も知られていないなんてどうかしている。個々のソロ活動もあいまってとてもオリジナリティあふれるグループになった。もっとみたい。SKY-HIのいるグループだなんていわせない。
4位 Mom – PLAYGROUND
まだ出てきて間もない新人ながら、ものすごい勢いで虜を増やし続けている青年こそがMomdだ。肩肘張らないラップスタイルはサビでつい口ずさみたくなるようなキャッチーさを持っている。なのに陳腐にならないのは彼のセンスか。いよいよラジオ局でもかかりだしたので、耳の早い人たちから順にどんどん広まっていくのだろう。来年の彼の活躍に期待したい。
3位 三浦大知 – 球体
この作品が登場した時の音楽通界隈のどよめきはすごかった。それくらいインパクトのあるアルバムだった。常に新しいことを、常に我々の一歩先を行こうとする姿勢はまさにアーティストだし、ダンスというものがなんだかキャッチーな楽しいものとして消費されつつある日本の音楽産業の中で、一人だれも真似できずただポカーンと口を開けてみることしかできないものを披露し続けている。コンテンポラリーともとれるダンスにあわせた表情豊かな楽曲たちは、一周して球体として冒頭へと回帰する。コンセプチュアルでありながらどこから聴いても一つの楽曲として成立して聴きごたえのある、まさに会心の一枚だ。
2位 森山直太朗 – 822
森山直太朗のクオリティには常々感心しているが、いまいち自分事として盛り上がりきれなかった面があったがが、今作はビンビンに響いた。「あーまたいい曲、で終わるんだろうなあ」と思ってたのに、もう一回、もう一回と繰り返し聞くうちに取り返しのつかない沼にハマってしまった。ひとつひとつの言葉を飲み込み、咀嚼する。バラエティ豊かな楽曲と、壮大かつ牧歌的な要素を忘れない森山節が炸裂。自分でも意外だけど、ダントツの2位。
やっぱりこの一枚ではないだろうか。今年初めに知ったばかりのバンドだけど、ファーストアルバムは期待していたしそれを遥かに超える曲がたくさんあった。今の音楽シーンと照らし合わせても決して的外れじゃないし、ちょっと日本のいわゆるフェス的な環境には中々適応するのは難しいかもしれないが、きのこ帝国がしっかりメインステージでできているのもあるので決して悲観したりしない。とにかくこのアルバムは隅から隅まで素敵だ。今年の一枚に決定!!!
まとめ
全体として、どんどん個性が際立つアルバムが多くなってきた。テレビ時代からネット時代に変わるにつれて、ニッチな音楽でもビジネスとして成り立つようになると、無理に商業的な路線をとる必要もなくて、やりたいように突き詰めている作品が増えているイメージ。特に三浦大地や宇多田ヒカルはその点で優れている。リスナーを過度に意識せず、むしろ引っ張っていく方向はまさに2018年型と言える。個人的にはヒップホップを深掘り出来たのは大きかった。ツイッターでもフォロワーは倍増でいろんなジャンルの音楽を吸収できたし、来年もまたひとつ大きくなれるのかと期待したら胸の高鳴りが止まらないから、今年のこのアルバムを眺めてゆっくり聴き返そうと思う。