ここでは最も素晴らしいMV(ミュージックビデオ)に贈られる。楽曲自体の発表年月は関係なく、あくまでMVがアップされた時が2018年12月~2019年11月以内であれば対象とする。
優秀賞
RADWIMPS – PAPARAZZI~*この物語はフィクションです~
星野源 – Pop Virus
キュウソネコカミ – 推しのいる生活
Mega Shinnosuke – 桃源郷とタクシー
SILENT SIREN – 恋のエスパー
CY8ER – デッドボーイ、デッドガール
Vaundy – 東京フラッシュ
SEKAI NO OWARI – Love Song
パソコン音楽クラブ – reiji no machi/p>
大賞
雨のパレード – Summer Time Magic
なんとなく綺麗な場所でなんとなくハレーションとか忍ばせておいて、いい感じにしあげておけばいいじゃん、ていうクソMVは氏ほど見てきた。そのたびにクソだなって感じてきた。そりゃ確かにそれだけで十分いい感じになるのは事実だけど、表現者がそれに頼ってしまう事はどうにも解せない。
この雨のパレードも確かに綺麗なところで撮ってるだけにも見えるが、その構図と過度な演出を控えている所がすばらしい。全身白に包んだボーカルのやわらかな印象は白い街並みと一緒に同化していく。夕焼けも「赤」ではなく「紫」を強調してちょっと違ったノスタルジーさを演出。すごくきれいなMVなのにあざとさがなく馴染んでいる。ちょっと今までの雨パレはむしろそのあざとさが前に出がちな印象だったので、あまりのめり込んで聴くことはなかったんだけど、このMVを観てから一気に評価は変わった。ちゃんとベタなのに安易じゃないというか、景色のおかげに甘んじず、撮影者とスタイリストたちのセンスと努力によってつくられた視覚だった。
総評
Mvが全て監督の一人で作られるならこんな理想的な社会はないのだが、現実はそうではない。いまだに事務所や広告代理店など企業が色々と注文を付けてくる。彼らはビジネスのプロであり、どれがどうなればウケるかよく理解しているが、カルチャーや美的センスについてはかねがね絶望的である。「女子高生をだしておけばいい」というある種性的搾取とも取られかねないような安易でバカ中学生みたいな発想でどんどんオーダーを重ねていくので、これから売れたいバンドとオチ目なアーティストはだいたい女子高生が踊り始める。The 1975の「Frail Of Mind」なんか見たらどう思うんだろう。単純な絵コンテと撮影で進んだロクでもないダンス動画に時間と労力を使わされる制作側の気持ちを考えるとげんなりする。いいんだよ、これからも。そうやって女の子のスナップショットを重ねるだけのサークルのアルバムスライドショーレベルのクオリティで満足しているなら。でも私はそんなアーティストは絶対応援しないし各所でぼろくそにネガキャンするから。と、謎の宣戦布告。
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