7月に聴いたアルバムをまとめました。

アーティスト名 – アルバム名の表記で左から「曲 構成 ノリ メロディ 中毒性 後味 表現力 好き」の計80点満点で評価しました。これらは個人的な採点なので、客観的な評価ではありません。

まずは国内から

邦楽

postman – HOPEFUL APPLE (5 5 7 5 4 4 4 4=38)
ハルカミライ – THE BAND STAR (4 4 7 6 4 5 5 4=39)
88flavors – Flower of PIANO Life (5 4 4 6 5 7 5 4=40)
NENE – 夢太郎 -EP (6 4 5 5 7 5 6 6=44)
BES & ISSUGI – Purple Ability (6 5 7 5 5 6 6 6=46)
NiziU – Make you happy – EP (6 4 8 8 6 6 5 6=49)
王舟 – Pulchra Ondo (6 7 5 5 6 7 7 6=49)
[Alexandros] – Bedroom Joule (6 7 5 7 5 8 6 6=50)
dodo – normal (6 7 6 6 6 7 7 6=51)

秋山黄色 – From DROPOUT (7 6 8 7 6 6 6 6=52)

米津玄師と近い空気感があったので、その系列なのかなと勝手に推測していたが、聴いてみると思ったよりロックやパンクの色が強く、どちらかというとロックアルバムにカテゴライズできそうなくらいに力強い。「モノローグ」は展開やメロなどは確かに米津玄師のような壮大さと王道性を備えているけど、「猿上がりシティーポップ」なんかは所謂ロキノン系に近い音色で、ギターロックの正統派な感じと運びは2010年代中頃のインディーズバンドそのものだ。「Caffeine」のようなトリッキーさがもっと前面に出ているかと思っていたのでいい意味でも悪い意味でも両義で裏切られた。

pinoko – black flame (6 7 8 6 6 6 7 7=53)
betcover!! – 告白 (7 8 6 5 8 6 7 7=54)
絢香 – 遊音倶楽部 ~2nd grade~ (6 6 6 8 6 7 9 6=54)
Rin音 – swipe sheep (7 6 8 7 6 8 6 7=55)
空音 – 19FACT (7 7 8 7 6 6 7 7=55)

DAOKO – anima (8 6 7 8 7 7 6 6=55)

一曲一曲のセンスが尋常なくらいに高く、アンビエントでもありポップミュージックでもある。それをタラ占めているのは超絶ポップなDAOKOの歌声だ。かつてはインターネットミュージックの代表格でもあり、聞く側もその意思をもって聴いていたのだが、今や正統派ミュージシャンに。「愛のロス」が個人的にお気に入り。個人事務所を設立してよりイニシアチブを自分で握れるようになったとは思うが、その去年の転機を示すかのように、小袋成彬との共作やスチャダラパーとのコラボ、ライブでのバンド編成など自由度が増しているように思う。55点と意外と低い点数になったけど、じわじわと評価上げていくタイプだと思う。年間ベストには入りそう。


PUNPEE – The Sofakingdom – EP (7 5 7 7 8 7 8 7=56)

セルフリリースの作品があまり多くなく、一般の人は追いにくいPUNPEEが出したEP。わずか5曲ながら、一曲たりとも捨て曲がなく、KREVAという大先輩を迎え、実弟の5lackを迎え、ある意味でターニングポイントを自らマークしている。圧倒的に聴きやすく、それでいて深みにまで浸からせてくれる大満足の作品。
クラシカルなヒップホップも2010年代的なトラックも自由自在で、それが奥行きを感じさせるし、彼のプライベートも加味して、すごくセレブレーションな感じのする作品。

THE NOVEMBERS – At The Beginning (7 7 7 8 8 8 7=59)

前作ほどのインパクトはないものの、これぞNOVEMBERSと唸ってしまうのが彼らの凄いところ。どちらかというと彼らの音楽やその界隈のジャンルは門外漢の自分でも、その魅力に理由なく惹かれてしまうのは、どう考えても彼らの秘めたるエネルギーだ。「消失点」みたいな音楽って彼ら以外に鳴らせないと思うし、「New York」がこのアルバムにしっかりと存在感を示しているのも好きなポイントだ。その後ろが「Hamletmachine」というのも大きいが。
とにかくふり幅が大きくゴスっぽくてポップでオーソドックスな一面もあるうえで一つの作品として成立している、そんなイカついアルバムである。

続いて洋楽

洋楽

曲 構成 ノリ メロディ 中毒性 後味 表現力 好き

Pop Smoke – Shoot for the Stars Aim for the Moon (4 4 6 6 4 5 4 4=37)
Bob Dylan – Rough and Rowdy Ways (5 4 4 4 4 7 6 4=38)
Animal Collective – Bridge to Quiet (5 7 3 5 5 5 5 5=40)
Sports Team – Deep Down Happy (5 5 7 5 4 4 5 5=40)
Lithics – Tower of Age (6 5 7 4 5 5 4 4=40)
This Will Destroy You – Vespertine (4 6 3 3 6 6 8 5=41)
Q and not U – No Kill No Beep Beep (5 5 7 5 6 5 6 5=44)
Figub Brazlevic – EXPEDITion 100 Vol.1:Figub Hadzi-Jusuf (6 5 5 6 5 6 6 6=45)
Becky and the Birds – Trasslig (5 4 7 7 5 5 6 6=45)
Walter Smith III, Matthew Stevens, Micah Thomas, Linda Oh & Nate Smith – IN COMMON 2 (6 5 5 7 5 7 6 6=47)
The Beths – Jump Rope Gazers (7 6 6 6 5 6 5 6=47)
Owen – The Avalanche (6 7 6 6 5 7 6 6=49)
upsammy – Zoom (7 7 5 5 6 7 8 5=50)
WINTER – Endless Space (Between You & I) (6 6 6 6 7 7 6 6=50)
Becca Mancari – The Greatest Part (6 7 7 6 6 6 6 6=50)
TERRACE MARTIN – Dinner Party (7 6 6 7 6 7 7 6=52)
ELLIE GOULDING – Brightest Blue (7 6 7 8 6 6 6 6=52)



The Streets – None Of Us Are Getting Out Of This Life Alive (7 7 7 7 7 6 7 6=54)

長い間待たせたThe Streetsの新作。アルバム冒頭の「Call My Phone Thinking I’m Doing Nothing Better」はTame Impalaがコラボしていて、それが最高に良い。三曲目の「I Wish You Loved You As Much As You Love Him」もおススメである。
UKヒップホップが今隆盛を誇っているのも、もしかするといくらかは彼のおかげかもしれない。

Goo Goo Dolls – Miracle Pill (7 7 7 7 6 6 7 7=54)
Japan, Man – The Bad Days – EP (8 5 6 7 8 7 7 7=55)


Blossoms – Foolish Loving Spaces (8 6 8 7 6 7 6 7=55)

Pottery – Welcome to Bobby’s Motel (7 7 8 8 7 6 6 6=55)
HONNE – no song without you (7 6 7 8 7 8 7 7=57)
Chloe x Halle – Ungodly Hour (7 7 7 6 8 8 8 7=58)
Phoebe Bridgers – Punisher (8 8 6 7 8 8 7 7=59)



Run the Jewels – RTJ4 (8 7 8 7 7 7 9 7=60)



Black Atlass – Dream Awake (8 8 8 7 7 8 7 7=60)

Baauer – PLANET’S MAD (9 8 8 8 10 8 8 8=67)

10年代前半の立役者、バウアーの新作がついに登場。2012年にリリースした「Harlem Shake」がネットミームとなり、その動画のギャップとクレイジーさがバカウケし、世界中で大流行。要するに瑛人の「香水」とおなじようなものだ。このネットミームとやら、ほんとうに新人がブレイクスルーするための必須条件みたいなところがあり、とにかくダンス動画でバズったりコスプレ動画でバズったりと、語ればきりがないのがこのネットミーム。Rae Sremmurdの「Black Beatles」や、Migosの「Bad and Boujee」など多くがそのきっかけをネットミームで掴んでいる。
それについて詳しく書かれているのは、「ミームを通して成長したHIP HOP -浮かび上がるLil Nas Xの成功-」という記事で、これはもうネットミームの決定版みたいなもので、書籍にしてもらいたい。これを読めば丸わかり。

で、そんなバウアーの新作は激しくてイカれちまいそうなビートにこのコロナ禍で行けないクラブに想いを馳せてセンチメンタルになるまでがセットである。家で死ぬほど暴れまわってほしい。