2018年の音楽を象徴するものはやっぱりDA PUMPの「U.S.A.」であることは間違いないと思う。紅白も内定しているだろうし、各テレビ局の音楽特番にも引っ張りだこ間違いなし。かつて一世風靡したDA PUMPが再び若者世代にウケているというわかりやすい事実とISSAというキャラクター性、テレビではどこから映してもネタに困らないので重宝される。

さてこのDA PUMPの「U.S.A.」、ダサカッコいいとして話題になっているのはもはや周知の事実。ちょっと知ってる風な口を叩いておさらいするが、DA PUMPは、ダサいけどキャッチーで逆にかっこいいよね、と言わせたくてあの楽曲とダンスとMVと衣装を選んだ。確かにどこからきりとってもダサい。でも原曲は海外のヒット曲で、音楽は今風に、振り付けもトレンディに。ダサいけどあまり詳しくない人には「最先端っぽい」と思わせることに成功している。だから「ダサカッコいい」と言う評価になる。もちろん彼らの今までの功績も加味されている。あのDA PUMPが。あのISSAが振り切ってダサいことしている、というのは好評を得やすい。

おそらく相当考えて、絶妙なバランスをめざしたのだろう。そしてまんまとヒットした。”まんまと”というと意地が悪く聞こえるが、世に働くビジネスマンとしては当然の努力であり正当な評価であり賛辞されるべきことだ。がんばって寝ずに打ち合わせをして考えたのだろうと思うとおめでとうと言いたい。
だけれどそれと個人的な感想はまた別だ。すごい、とは思うが、かっこいいとはおもえない。一周回ってかっこいい、という評価を安易にしたくない。そういえばなんとなくわかってる感じは出るけど。「ダサい」と言い切ってしまうと、「お前分かってないなあ」と言われそうだけど。でもまずはあのジャンルの音楽とダンスがまともに日本で流行ってからDA PUMPの「U.S.A.」は売れてほしかった。あれじゃあただの「ほんとのかっこよさは分かんないからダサくてピエロになってくれたおかげでかっこよさが”逆に”わかるようになった」と公言しているようなものだ。とは思いません?思わない、あそうですか。ごめんなさい。

私も天邪鬼な部分もあるのであまりまともな意見だと自分でも思ってないんですが、あれをかっこいいと逆に褒めるのはもう少し日本の文化の成熟を待ってからかなあとか思ったり。それだけ。いや、でも結構聴いているし好きだしハマっちゃってるし、ダサさとそれだけじゃないキャッチーさのバランスは見事だと思ってる。ただ「カモンベイベーアメリカ」は紛う事なきダサさでしょ、私は「U.S.A.」を100パーセントダサいものとして楽しく鑑賞している。

ちなみにダサさとかっこよさのブレンドを間違えた最近の例が、CRAZYBOYだと思っている。
タイトルが….タイトルがね…..狙ったんだろうけどさすがにやり過ぎている。かっこいいのに。曲も見た目も。