こんな記事を読んだ。

山崎洋一郎が語る、ROCK IN JAPAN FESTIVALから考えるフェスのメディア機能

毎年サマソニやフジロックの主催者インタビューは読んでいたが、ロッキンの主催者インタビューは確かに読んだことなかったなぁと思いながら読み進めていた。

山崎洋一郎氏のご尊顔もお初だし、ロッキングオン社のロックの概念もよく理解した。

今更ここでロックとはなんぞやとか、ロッキンのブッキングについてどうだとか語るつもりはない。

素晴らしいアーティストはたくさん出ているし、あそこに行けばとりあえず日本のロックシーンは総ざらいできると思う。トリには毎年ビッグアーティストが選ばれて、新進気鋭の売れっ子もきちんとブッキングされている。

今年はyoutuberであるFischer’s(フィッシャーズ)が出演する事になり、大きな波紋も呼んでいる。「あんなのロックじゃない」「あれ呼ぶくらいならライブハウスで頑張ってるバンド人組でも増やして欲しい」などなど(実際に見かけたコメントである)。

個人的に思うのは、Fischer’sの楽曲の質やロックかどうかの基準はさておいて、おそらくその辺のライブハウスでうだつの上がらないバンドなんかよりはよっぽど努力して売れる方法を考えて必死にやってるだろうということ。
むしろ売れない有象無象の酒飲みバンドはフィッシャーズの爪の垢くらい煎じて飲めばいいのに。とすら思う。


でも今回言いたいのはそんなことではない。実際に自分も2014年に一回だけ参加したことから言えるのは


ロッキンまじで快適すぎだろ


につきる。

これは行ったことある人なら確実に同意してもらえるはず。

今までサマソニ大阪やメトロック大阪、オトダマ、レディクレなどに行ったりしたが、未だにロッキンより快適なフェスには出会ったことない。ていうか比べるに値しないくらいにロッキンがよかった。良すぎてひたすら「快適すぎる!!!」と連呼してた。

会場の最寄駅からシャトルバスへの乗り込みのスムーズさ、チケットとリストバンド交換のスムーズさ、ステージ間の移動のスムーズさ。とにかく人員が揃いまくってる。あんなに人がいて混雑してるのに、立ち止まることなくステージ移動ができるフェスは他に知らない(そんな数行ってるわけでもないが)。

飲食店こそ並びはするものの、豊富なラインナップとどのステージからでもそれなりの飲食店に出会えて、ゴミ箱はどこにでもある。トイレで混むこともないし、暑けりゃ日陰もある。障害者の方への配慮も忘れておらず、いろんな細かな設備が整っている。
毎年参加者からのヒアリングを行なって、都度改善をしているのだろう。本当にその快適さへの追求には頭が下がる。メンツ云々より、この快適さだけで行く価値がある。本当にそう思う。

そしてその想いは、ロッキンに行くか迷っている友達や後輩への口コミになる。
「本当にいいから!絶対行くべき!日本最強のフェス!」と絶賛する。たった一回の経験だけど、こうやってロッキンはファンを作る。アーティストだけで満足するんじゃない、フェスの構造に人は満足するんだ、という新しい知見をくれたのはロッキンだった。

とか言いつつもう5年も行ってないし、もう行くこともないと思ってるのは代わり映えもしないメンツと特に興味のないバンドばかりだからなのだが。

それはともかく、フェスとしての完成度は抜群に高い。



それでもやっぱりロッキンにはもっとシーンを担ってもらうフェスであり続けてほしいから、いろんなチャレンジを続けてほしい。保守的にならず、画期的なブッキングをお願いしたい。その一つがyoutuberかもしれないし、もっと大きな題目で行くと、女性の進出かもしれない。
どうしても男性バンドしかメインステージをはれない状況が多い中、今年はあいみょんがメインステージでの出演が決まっている。女性ソロ、これがあの大きなステージで何万人を熱狂させる絵は想像しただけで身震いする。

─ここ最近、CoachellaやPrimaveraのような海外フェスでは、女性アーティストの数を意識的に増やすなど男女同権の思想をラインナップにも反映させています。このあたりの動きについてどう思いますか?

山崎:そういう意識を持つこともすごく大事ですし、そういう意識を前面に出さなくても、素晴らしいアーティストをブッキングしていったら、「あ、同じ比率になったね」となるのが一番素晴らしい形なのかなとも思います。ただ、僕はCoachellaにしろPrimaveraにしろ、どちらかというと後者だったのではないかなと思いますね。

今のポップシーンの中から素晴らしいアーティストをピックアップしていったら、以前よりもずっと女性アーティストが増えた、と。以前は男性アーティストばかりだったけど、今は全くそんなことないよね、という結果と、「差別意識をなくしていこう」という意識が、うまくリンクしていい流れになったということだと僕は思っています。

なので、もし日本がまだまだ遅れていて、女性アーティストの活躍が制限されているような状況なのだとしたら、もっと意識的にラインナップを組まないといけないと思うし、自然な結果として平等になればいいなという気持ちの両方があります。でも、日本も以前より女性アーティストが増えてきていると思いませんか? おそらく15年前の比率とは全く違っていると思いますよ。

今女性ソロがメインでできるのって、椎名林檎とかあいみょんとかmiwaぐらいしかいない。去年松任谷由実も出たときはメインだった。でもやはりあいみょんくらい若い世代のポップアイコンがメインを張ってくれるのはうれしい。もっとジャンルレスにいろんな女性アーティストがでてくれると楽しみになるのだが。
世間では「ロックじゃない」とか言われてるみたいだけど、私にしてみれば「いやロック多すぎだろ」としか思わない。ロックというジャンルに縛られて、大したことないロックバンドが、実はすごい多ジャンルのアーティストを差し押さえて出るのは日本を代表するフェスのやるべきことじゃないと思う。

という意味でもこれからに期待したい。ほんと設備は最高だから。