鈴木雅之と木村拓哉のタッグは期待しかない分、そのハードルを越えるのは難しい部分もある。前作のマスカレードホテルはその障害をもろにくらった作品だった。

東野圭吾のベストセラー小説を木村拓哉と長澤まさみの共演で映画化した「マスカレード・ホテル」のシリーズ第2弾。原作小説のシリーズ第3作をもとに、ホテル・コルテシア東京に再び潜入した刑事・新田浩介と優秀なホテルウーマン・山岸尚美が難事件に挑む姿を描く。警察に届いた1通の匿名ファックス。その内容は、都内マンションで起きた殺人事件の犯人が、大みそかにホテル・コルテシア東京で開催されるカウントダウンパーティ「マスカレード・ナイト」に現れるというものだった。パーティ当日、捜査のため再びフロントクラークとしてホテルに潜入した警視庁捜査一課の刑事・新田浩介は、コンシェルジュに昇進した山岸尚美の協力を得て捜査を進めていくが、500人の参加者は全員が仮装して顔を隠していた。限られた時間の中、素顔のわからない殺人犯を捕まえるべく奔走する彼らだったが……。前作に続き「HERO」の鈴木雅之監督がメガホンをとった。

映画.comより

鈴木さんの映画はいつもきちんと「映画」の撮り方にこだわってくれる。ただ単に役者を追いかけるだけでなく、画面の隅から隅まで仕掛けにこだわり、細部までリアリティと伏線を散らす。だけれど観客が疲れないように、きちんとツボは抑えられるようわかりやすい”フリ”もくれる。マスカレードナイトはやっぱりそういう親切な設計だった。

木村拓哉のスマートさはさることながら、沢村一樹や石黒賢の渋さが光る映画でもある。若くてエロくて、はこの映画には不必要で、大人の渋さだらけ。

もちろんここで全てを語るわけにはいかないが、前作同様推理モノとしては原作東野圭吾なので安心してみてもらってかまわない。

推理もの、警察もので若干苦手とするところは、後半の怒涛の展開に追い付けないところ。え、で、さっきの話は何の関係があるの?今誰について喋ってる?と、いつも穏やかなヒューマンドラマを好む私にとっては不慣れな部分が露呈する。今回はそれがほとんどなかったのも、登場人物が比較的限られていて、前回の続きという事もあり、余計な前ぶりが必要なく、すぐに本題に入ることが出来、事件について時間を割くことができたからだろう。私の大好きな麻生久美子も登場していし、キャストにも文句がない。

音楽は佐藤直紀さん。ゴージャスでスリリングな音楽を前回同様作ってくれている。

調べていないけれど、多分今回も明石家さんまが出ていたんだと思うが、前回も思ったが、あまりに見つけられるはずもないのでハナから探すのはあきらめている。もうすこしわかるように出てもらえないだろうか笑