永遠の0と同じタッグで、同じように描いたのが本作。岡田准一が男としての生きざまを演じている。

2013年度本屋大賞第1位を獲得した百田尚樹の同名ベストセラー小説を、同じく百田原作の「永遠の0」を大ヒットさせた岡田准一主演×山崎貴監督のタッグで映画化。出光興産創業者の出光佐三氏をモデルにしたといわれる主人公・国岡鐵造を岡田が演じ、吉岡秀隆、染谷将太、綾瀬はるか、堤真一ら豪華キャストが共演する。主要燃料が石炭だった当時から、石油の将来性を見抜いていた国岡鐡造は、北九州の門司で石油業に乗り出すが、国内の販売業者や欧米の石油メジャーなど、様々な壁が立ちふさがる。それでもあきらめない鐡造は、型破りな発想と行動で自らの進む道を切り開いていく。やがて石油メジャーに敵視された鐡造は、石油輸入ルートを封じられてしまうが、唯一保有する巨大タンカー「日承丸」を秘密裏にイランに派遣するという大胆な行動に出る。それは当時のイランを牛耳るイギリスを敵に回す行為だったが……。

映画.comより

実話ということと、時代も鑑みれば仕方がないのだが、基本的に男の話である。戦うのも協力するのも対立するのも男だ。女は陰で支えるくらいしかやることがない。でも「頭が上がらない」存在に位置付ける。そこで折り合いをつけているような気になっている。光石研や堤真一といった豪華なキャストが脇を固め、岡田准一がそのうえで躍動する。ちょっとおもしろいくらいに俺俺節が炸裂しているのだが、それもひとつのエンターテインメント。

実話の物語というか、武勇伝に近いような、そんなお話。

吉岡秀隆が相変わらずおもしろい雰囲気を出しながら、主人公国岡の右腕として活躍し、途中から仲間に加わるピエール瀧や鈴木亮平なども非常に存在感のある役を演じる。

こういう男の物語は時代劇というか、朝ドラというか、そういうたぐいのものとしてしか見られない。それは自分が男の武勇伝物が苦手なのもあるし、真面目に感動できない性分だからかもしれない。演技は間違いなく素晴らしいし、映画としての盛り上がりも素晴らしかったけれど、時代劇くらいにきれいさっぱりしているから、深く感動を覚えるというよりは気分爽快で終われる、そんな映画だった。