悪徳がクールでスマートな映画に惹かれるのはいつの時代も同じ。そしてこの映画も、阿漕な商売をする二人の話。

「ゴーン・ガール」のロザムンド・パイクが主演し、第78回ゴールデングローブ賞で主演女優賞(コメディ/ミュージカル部門)を受賞したクライムサスペンスコメディ。法定後見人のマーラの仕事はは、判断力の衰えた高齢者を守り、ケアすること。多くの顧客を抱え、裁判所からの信頼も厚いマーラだが、実は裏で医師や介護施設と結託して高齢者たちから資産を搾り取るという、悪徳後見人だった。パートナーのフランとともに順調にビジネスを進めるマーラだったが、新たに資産家の老女ジェニファーに狙いを定めたことから、歯車が狂い始める。身寄りのない孤独な老人だと思われたジェニファーの背後には、なぜかロシアンマフィアの存在があり、マーラは窮地に立たされるが……。監督は「アリス・クリードの失踪」のJ・ブレイクソン。共演に「ゲーム・オブ・スローンズ」のピーター・ディンクレイジ、「ベイビー・ドライバー」のエイザ・ゴンザレス。

映画.comより

恋愛関係にあり、ビジネスパートナーでもあるマーラとフランの二人が、高齢者をだまして後見人となって合法的に財産を奪っていくというやべえ映画だが、当然うまくいくはずもなく、激やばばあさんを運悪くだましてしまい、そのバックにはなにやら激やばなマフィアおじさんたちが登場する。そしてけっこうギリギリ殺されるところまでいって…とネタバレはここまでにするが、クライムサスペンスとは一味違う、どっちもどっちムービーなのである。

それにしてもエイザゴンザレスの美しさに目を奪われる映画。レズビアン役として主人公のロザムンドパイクと熱烈な愛を演じているのだが、そこも見どころの一つ。「男は都合が悪くなると脅してなんとかしようとする」と冷静に男性の習性を指摘する。その部分には納得しかないが、後半のマーラたちはまあまあ我を失っていて、致命的な選択ミスをおこなってしまう。それでも引き返すことはなく「男の脅迫」に屈しないという強い意地で強引に物事を進めていく。

では音楽です

Death In Vegas – Dirge

パーフェクトケアはどのようなタイミングでも楽しむことのできる作品です。ぜひ。