1950年代、ハリウッド映画界では社会主義者を取り締まる動きが強まっていた。ダルトントランボはアメリカの売れっ子英語脚本家でありながら、社会主義者として活動に参加、厳しい批判を浴びていた。ついには映画界から「赤狩り」により追放されることとなり投獄されてしまう。それでもトランボは出所後、愛する家族を養うため、自分のプライドを貫くために名前を隠して脚本活動を続ける。あの「ローマの休日」もじつはトランボが手掛けたものである。結果、偽名で作った脚本の映画がアカデミー賞を受賞し、トランボが「俺が作った」と公表。激しい差別や時に身の危険も感じながら人生を脚本家として全うした男の中の男の映画。

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(字幕版)

社会主義者とは要するに「みんな平等にしましょ」という考え。私有財産を持たず、貧富の差を無くそうとしたのが社会主義、と思ってもらっても生活上問題ない。

「ローマの休日」など数々の名作を生んだ希代の脚本家ダルトン・トランボの波乱万丈な人生を、テレビシリーズ「ブレイキング・バッド」で知られるブライアン・クランストン主演で描いた伝記ドラマ。脚本家トランボはハリウッド黄金期に第一線で活躍していたが、冷戦の影響による赤狩りの標的となり、下院非米活動委員会への協力を拒んだために投獄されてしまう。釈放された後もハリウッドでの居場所を失ったトランボは、偽名を使用して「ローマの休日」などの名作を世に送りだし、アカデミー賞を2度も受賞する。逆境に立たされながらも信念を持って生きたトランボの映画への熱い思いと、そんな彼を支え続けた家族や映画関係者らの真実を描き出す。共演に「クィーン」のヘレン・ミレン、「マレフィセント」のエル・ファニング、「運命の女」のダイアン・レイン。「ミート・ザ・ペアレンツ」のジェイ・ローチ監督がメガホンをとった。

作品としてはまあそれなりでストーリーもそこまですごい伏線とかはないのだが、それもそう、これは事実に基づく映画だから。そう思うとすごい時代があったもんだと思う。今は多様性がずいぶんと進んだ。思想も認められているし。
でもトランボは社会主義者だったけれど、ことの本質を大切にしている人なんだなと気付く。家は大きく庭もプールもある。私有財産を認めない社会主義には不向きなようにも思える。他の社会主義者が断固として何度でもアメリカ映画協会に立ち向かうなか、そんな不毛な負け戦はするなと説く。ついには仲のいい人とケンカ別れまでしてしまうが、自己の主張のために社会主義を唱えるのではなく、生活や国をよくするために利用している、そんなトランボにあるべき姿が映し出されていたように思う。
最後の実際のスピーチ音声は欠かせない。とても大切なことを言っているのでお楽しみに。
今回は音楽はあまり登場しないので割愛する。

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