導入

先日某音楽番組で「00年~20年のJPOPベスト30」なる企画がやっていて、その結果に色々な意見が噴出していたのをみた。私の意見として別に「あれが入ってない」とか「これが入っている」とかの議論は楽しくやるのはいいけどケンカになってまですることじゃないと思うし、第一そこまで普遍性が担保されている集計方法でもない(たった48人で男女比もバラバラ)ので、ひとつの話のネタ程度に見るのがいいのかなと。

自分ならどんなランキングにするだろうと考えたところ、JPOPとは何か、という問題にどうしても突き当たることに気付く。そこの定義ってギチギチに固めることは不可能だし(そもそも言葉の出自がラジオ番組だし)、ゆらゆら帝国をJPOPに入れちゃうならもうロックは大抵JPOPじゃんってことにもなる。なので、JPOPとは何か、というお題に向き合うのではなく、独自の縛りを入れてみることにした。それが今回の「他作JPOPランキング」である。ようするに、自作自演ではなく、楽曲提供をしてもらっている楽曲に限ったランキングを作ってみようとのこと。ロックやヒップホップなどアンダーグラウンドな音楽はやはり自作自演が多いので、楽曲提供に絞ればかなりJPOPになるのでは、という試み。

以下が今回のルールです。

対象楽曲
  • アーティストと作曲者の名前が異なる/別人物であること。(別名義でも対象外とする/例:矢島美容室→作曲者であるDZ OZMAはメンバーにその名はないが、ナオミ・カメリア・ヤジマが実態はDJ OZMAなので同一人物とみなす)
  • メンバーではないが、そのアーティスト専属の作曲者がいる場合は対象としない(例:Silent Siren/Superfly)
  • ただし、作曲者主導のグループの場合は対象とする(例:BiSHやモーニング娘。、きゃりーぱみゅぱみゅなど)
  • 基本的にカバーソングは対象外とする(本ランキングに登場する夏川りみだけ例外とする。理由は特にないが、原曲がそれほど認知されていない中でのカバーで彼女の持ち歌として認知されているからとこじつける)

とは一応書いたが、あまり厳密ではないのであしからず。同一アーティストによる複数選出は可としているが、上限は2~3曲と厳密な限定はない。ランキングのおもしろさ(多様性)を損なわない程度ならいくらでも、というのがルール。2つ目の専属ってのも曖昧なので気にせず(ポルノグラフィティ初期~中期の本間昭光は他にも手掛けているアーティストがたくさんいるのでセーフ理論)(Superflyの多保険孝一は元メンバーなので対象外)。

それでは前置きはこのくらいにしてランキングに参りましょう!100位から51位までいっきにどうぞー!
※アーティスト名 – 楽曲名 (発表年/作曲者) の順番で表示。編曲者は編集の都合上カットしています。

 

100位~51位

100位 JUJU – やさしさで溢れるように (2009年/小倉しんこう)
99位 倉木麻衣 – Feel Fine! (2002年/ 徳永暁人)
98位 ハルレオ – さよならくちびる (2019年/秦基博)
97位 Shuta Sueyoshi – FLAT (2020年/奈須野新平)
96位 ℃-ute – まっさらブルージーンズ (2006年/つんく)
95位 LiSA – 炎 (2020年/梶浦由記)
94位 Kylee – CRAZY FOR YOU (2011年/磯貝サイモン)
93位 北出菜奈 – KISS or KISS (2005年/本間昭光)
92位 Chelmico – Limit (2020年/ryo takahashi)
91位 Every Little Thing – Graceful World (2001年/大谷靖夫)
90位 松浦亜弥 – Yeah!めっちゃホリデイ (2002年/つんく)
89位 U.N.O.BAND – NO.1 (2005年/渡辺健二)
88位 ももいろクローバーZ – サラバ、愛しき悲しみたちよ (2012年/布袋寅泰)
87位 バニラビーンズ – ニコラ (2008年/阿部靖広)
86位 Hey!Say!JUMP – YOU&I (2018年/ulala、KOUDAI IWATSUBO)
85位 yama – 春を告げる (2020年/くじら)
84位 アイドルネッサンス – 交感ノート (2017年/小出祐介)
83位 わーすた – 大志を抱け!カルビアンビシャス! (2018年/みきとP)
82位 ポルノグラフィティ – メリッサ (2003年/ak.homma)
81位 Tommy heavenly6 – Hey my friend (2004年/Mark and John)
80位 トラジハイジ – ファンタスティポ (2005年/清水昭男)
79位 西野カナ – Bedtime Story (2018年/Katsuhiko Yamamoto)
78位 一青窈 – ハナミズキ (2004年/マシコタツロウ)
77位 DAOKO – 打上花火 (2017年/米津玄師)
76位 BiSH – HiDE the BLUE (2018年/松隈ケンタ)
75位 lyrical school – brand new day (2014年/AxSxE)
74位 モーニング娘。’16 – 泡沫サタデーナイト (2016年/津野米咲)
73位 hitomi – LOVE 2000 (2000年/鎌田雅人)
72位 MISIA – Everything (2000年/松本俊明)
71位 絢香 – Real Voice (2006年/西尾芳彦)
70位 修二と彰 – 青春アミーゴ (2005年/Shusui, Fredrik Hult, Jonas Engstrand, Ola Larsson)
69位 adieu – ナラタージュ (2017年/野田洋次郎)
68位 Tomato n’ Pine – なないろ☆ナミダ (2011年/ 古川貴浩)
67位 私立恵比寿中学 – SHAKE!SHAKE!(2019年/雫)
66位 夏川りみ – 涙そうそう (2002年/BEGIN)
65位 3776 – 登らない理由があるとすれば (2015年/ 石田彰)
64位 SMAP – ユーモアしちゃうよ (2015年/市川喜康、マシコタツロウ)
63位 Every Little Thing – fragile (2001年/菊池一仁)
62位 安室奈美恵 – NEVER END (2000年/小室哲哉)
61位 PUFFY – Bring it on (2009年/細美武士)
60位 SMAP – 世界に一つだけの花 (2003年/槇原敬之)
59位 上白石萌音 – 永遠はきらい (2019年/n-buna)
58位 私立恵比寿中学 – 手をつなごう (2013年/宅見将典)
57位 w-inds. – FANTASY (2015年/Mushtaq Omar、Thomas Jules)
56位 Perfume – Magic of Love (2013年/中田ヤスタカ)
55位 SMAP – Dawn (2005年/森元康介)
54位 AKB48 – 恋するフォーチュンクッキー (2014年/伊藤心太郎)
53位 フィロソフィーのダンス – ダンス・ファウンダー (2017年/宮野弦士)
52位 浜崎あゆみ BLUE BIRD (2006年/D・A・I)
51位 一青窈 – もらい泣き (2002年/溝渕大智、マシコタツロウ、武部聡志)

 

どうでしょうか。一青窈はやっぱり好き。じっくりアルバム単位で聞いたことないのでこれを機に聴き返してみようと思う。LiSAやyamaといった去年の楽曲も入れたくなる。SMAPはここで二曲エントリー。倉木麻衣は本当は「Love, Day After Tomorrow」が好きなので入れたかったのだが、1999年12月発売という事で惜しくも対象外。アイドルが多めになっている、予想通りだが。

 

では続いて50位から21位まで。

 

50位~21位

50位 きゃりーぱみゅぱみゅ – もんだいガール (2015年/中田ヤスタカ)
49位 CHEMISTRY – PIECES OF A DREAM (2001年/藤本和則)
48位 モーニング娘。 – ザ☆ピ〜ス! (2001年/つんく)
47位 TOKIO – 花唄 (2002年/鈴木秋則)
46位 三浦大知 – Darkest Before Dawn (2017年/Nao’ymt)
45位 薫と友樹、たまにムック。 – マル・マル・モリ・モリ! (2011年/宮下浩司)
44位 Negicco – I LOVE YOUR LOVE (2019年/西寺郷太)
43位 平井堅 – 楽園 (2000年/中野雅仁)
42位 SMAP – らいおんハート(2000年/コモリタミノル)
41位 モーニング娘。 – 恋愛レボリューション21 (2000年/つんく)
40位 Tommy heavenly6 – Pray (2006年/Chris Walker)
39位 Perfume – ナチュラルに恋して (2011年/中田ヤスタカ)
38位 五五七二三二〇 – ポンパラ ペコルナ パピヨッタ (2015年/菅野よう子)
37位 NEWS – Weeeek (2007年/GReeeeN)
36位 BiSH – 星が瞬く夜に (2015年/松隈ケンタ)
35位 AKB48 – ポニーテールとシュシュ (2011年/多田慎也)
34位 元ちとせ – ワダツミの木 (2002年/上田現)
33位 Flower – Dreamin’ Together feat. Little Mix (2015年/松尾潔、和田昌哉)
32位 上戸彩 – 風 (2004年/織田哲郎)
31位 YUKI – 歓びの種 (2005年/蔦谷好位置)
30位 柴咲コウ – 無形スピリット (2011年/DECO*27)
29位 小林星蘭 – ジンカンバンジージャンプ! (2019年/鳴瀬シュウヘイ)
28位 lyrical school – ワンダーグラウンド (2015年/SUI)
27位 松平健 – マツケンサンバⅡ(2004年/宮川彬良)
26位 ポルノグラフィティ – アゲハ蝶 (2001年/ak.homma)
25位 BABY METAL – ギミチョコ!! (2015年/TAKESHI UEDA)
24位 CHARA – そして、僕が届かない (2008年/蔦谷好位置)
23位 Every Little Thing – ソラアイ (2004年/HIKARI)
22位 時給800円 – たまには泣いてもいいですか (2004年/山沢大洋)
21位 嵐 – Love So Sweet (2007年/youth case)

薫と友樹、たまにムック。、上戸彩、柴咲コウ、小林星蘭、松平健と俳優陣のランクインが目立つ。ベビメタは正直他の曲でもよかったのだが、あえて選ぶならやっぱり外したくない一曲だなと。多分だけど、基本蔦谷好位置が好きなんだと思う。王道ポップスやってくれる感じが。逆に前山田健一(ヒャダイン)はあまり好みじゃないのもうかがえる。つんくと中田ヤスタカが荒らしまくってるのも注目点。

では20位から。ここからは一曲ずついきましょう。

20位~1位

20位 でんぱ組.inc – サクラあっぱれーしょん (2014年/玉屋2060%)

突き抜ける気持ちよさ、圧倒的な満開。桜ソングの決定版といってもいい。節操ないくらいにいろんな楽器を盛り込んでまさにでんぱ組を象徴するカオス感。でもキャッチーで構成自体はすごく整頓されているのでうっとおしさがなくて聴きやすい。カウンターカルチャーの真骨頂。確実に時代をゴリゴリ動かしてた。

 

19位 aimer – 蝶々結び (2016年/野田洋次郎)

魅力的な歌唱力で一様にミュージシャンを虜にしたaimer。こぞって曲を提供したがり、それを全て自分のものにする力強さ。繊細だけどラウドロックでもバラードでも乗りこなす器用さ。aimerが今一つ盛り上がらないのは他作だからか。多くを手掛ける飛内将大さんの才能もさることながら、aimerの実力自体ももっと評価されてほしい。

 

18位 西野カナ – style. (2008年/Kazuhiko.M)

西野カナで一曲挙げるならやはりこれではないだろうか。この企画の発想元となってる某番組でも「トリセツ」をJPOPランキングに入れていたが、正直キャッチーな部分に憑りつかれ過ぎだと思う。たしかに歌詞の斬新さは目を張るものがあるが、サウンドまで着目しても騒ぐほどの内容とは思えない。むしろこっちでしょ、と個人の感想駄々洩れの18位です。

 

17位 欅坂46 – サイレントマジョリティ (2016年/バグベア)

この曲の登場は画期的だった。すぐに話題になり、私もまた興奮気味に語っていた。誰かが言ってた「この曲の登場で楽曲派アイドル論争が集結してしまった」は言い得てる。

 

16位 藤井フミヤ – ナンダカンダ (2000年/浅倉大介)

”懐かしい”で済まされない、怪作。「あるべきはずメリハリがなさすぎるテレビの前/平和ボケしてませんか」のパンチラインが妙に痛い。2000年にして個の主張がきちんと述べられている。「はみ出す勇気をどうか絞り出して立ち上がれ/目を覚ませ泣くな笑え」を藤井隆が歌っているのは、その後の彼の活動スタイルをみればいかにリアリティと説得力を持っているかわかるはずだ。藤井隆についての記事はコチラ→「“ナンダカンダ”藤井隆は謙虚である」

 

15位 木村カエラ – Snowdome (2007年/BEAT CRUSADERS)

ビークルが手掛けたとも知らず、むしろ当時はビークルの存在も知らず、リアルタイムに享受していた。さビのしっとりとしながら盛り上がる美しさ。ギターのアンサンブルが見事で、木村カエラの声がもっとも美しい時期。

 

14位 欅坂46 – W-KEYAKIZAKAの詩 (2017年/ 前迫潤哉、Yasutaka.Ishio)

欅坂のヒストリーソングにもなっているこの曲。当事者でも内情を知るファンでもないのに、心つかんで離さない強度がある。

 

13位 きゃりーぱみゅぱみゅ – つけまつける (2012年/中田ヤスタカ)

これこそが彼女のキャリアを決定づけた一曲なのではないだろうか。へんてこりんのやばい奴、から個性が認められた芸術性の高いアーティストへと世間の目が変わった転換期。当時ここまで「自分をかわいくする」ことへの肯定感を露わにした曲はなかったようにおもうし、この曲のいいところは、それが男の子にとっても同じであるという事だ。自分を魅力的に変身することに男女もなくて、「心の角度次第」と言ってのけた。確実に時代をを象徴する一曲。「きゃりーぱみゅぱみゅについて伝えたいことがある」

 

 

12位 三浦大知 – 飛行船 (2018年/Nao’ymt)

JPOPの最も端っこの最も鋭角な部分を目指し、到達してしまったのが三浦大知だ。それ以上先はアンビエントでインダストリアルな世界であり、メディアや大衆と言ったジャンルから外れてしまう。その一歩手間で踏みとどまって、いや、確実にはみ出したはずなのに、その枠をぐわっと押し広げたのたという方が正しいかもしれない。俺が正解。三浦大知の実験性にはそのような覚悟すら感じる。Nao’ymtとの二人三脚ともいえる挑戦は留まるところを知らない。

 

11 関ジャニ∞ – ズッコケ男道 (2007/ピエール)

 

20代、30代前半の方なら多くの人はこの曲に盛り上がった経験はあるのではないか。また、カラオケで熱唱したことはないだろうか。ロックでアッパーなチューンに「イェイイェイ」「ブンブン」といったみんなで共有できるフックが用意された、素晴らしいアンセムソング。

ではベスト10です!!!!

10 BiS – nerve (2011/miifuu)

FiNAL ver.の方が好みではあるが、いずれにせよアイドル史に残る一曲となった。現に私もそうだが、ロックファンやオルタナファンをギョッとさせた一曲と思う。アンセムと化した楽曲だが、これがいつまで経っても世間に一ミリも浸透しないのも含めて最高だと思う。もちろん、この曲のすばらしさにみんなに気付いてもらいたいが。

9 乃木坂46 – きっかけ (2016/杉山勝彦)

杉山勝彦 is GOD。美しすぎる不朽の名曲。

 

8 HALCALI – ストロベリーチップス(2003/DJ FUMIYA)

PUFFYのような、恵まれた作曲陣に曲を提供された素晴らしいヒップホップアーティストだったが、世間の感心はそれほど高くなかった。RIP SLYMEのDJ FUMIYAがトラックを手掛けてることが多く、質は一級品。特にこの曲はファンの中でも人気が高く、一部からマニアックな支持を受けている、と勝手に思ってる。昔にブログでも書いてました→時代を間違えた二人、HALCALI

 

7 YUKI – うれしくって抱きあうよ (2010/mugen)

YUKIってそういや楽曲は提供してもらってるんだ、とこの企画で気づいた。知らなかったわけではないけど、やっぱそのアーティスト性からみても自作自演っぽそうだったので。てことは恐ろしいくらいにいい曲もらいまくってるな。。。とゾッとする。個人的にはこの曲かな。うれしくって抱きあいたくなる。キャリアは豊富なのに一切古くならないというか、昔のあの曲!に固執しない(させない)アップデートの仕方が凄い素敵。KAKATOとのコラボとか、おもしろいのも多いのが魅力的。

 

6 ポルノグラフィティミュージック・アワー (2000/ak.homma)

ドライブになったら大体誰かはこれをかけたがるし、かかったら全員大合唱になる。楽園ベイベーとこれは争奪戦。バカになれるし脳汁が溢れて止まらない。よく聞くと後ろでせわしくならされるパーカッションがめちゃめちゃ気持ちよい。パンパカパンパカ最高じゃない?夏といえばこれ。ブッシャ―――!

 

5 NANA starring MIKA NAKASHIMA – GLAMOROUS SKY (2005/HYDE)

当時「男のくせに」と言われながらこっそり読んでたNANA。漫画なんかめったに読まないのに姉の影響でこれだけは熱心に読んでいた。映画化されるとすぐに観に行った。一人で行こうと思ってたら、同じ野球部のキャプテンが「俺も好きやねん」と告白してきて、まさかの二人で観に行くという。いい思い出。YUNA ITOももちろんだけど、やっぱりNANAのかっこよさにはしびれるし、曲が爆裂にかっこよい。まさかHYDE作曲だなんて今の今まで知らなかった。

 

4 木村カエラ – BEAT (2005/奥田民生)

奥田民生のロック愛ドバドバの一曲。木村カエラ自身がアメリカのロックに興味があったこともあり、そのサウンドとスタンスもマッチが見事。2005年なんて、女性はギターもたして可愛く歌っちゃえばいいじゃんが横行してた時代なのに、こんな低音で盛り上がりのわからない曲歌わせるかね、と今なお驚く。一切の妥協を許さないガチガチの名曲。要するに私にとって木村カエラは青春ど真ん中であるのだ。

 

3 Foorin – パプリカ (2018/米津玄師)

正直リリース当時はガン無視なわけです。どうでもいい。子供に天真爛漫に歌わせることでお茶を濁らせる企画ものはおなかいっぱいだと。事実歌唱力もさほどたかくないしダンスが素晴らしいわけでもなく、そして天真爛漫がウリなんだけれど、それ以上にトラックの独特さ、歌詞の奥深さに惹かれた。これは今までの子供向けソングとはわけが違うと。まったく譲歩しない、子供に目線を合わせるでもなく、底上げを図るような地に足着いたサウンド。比較的音数が少ないのも、効果的に気持ちの良い和楽器やシンセを入れ込んでくるのも、性癖に刺さる。これは本当に名曲。全人類が100年後まで歌ってほしい。

 

2 モーニング娘。ハッピーサマーウェディング (2000/つんく)

つんくにしか書けない曲であると同時に、誰にでも歌える曲。モーニング娘。はその普遍性を確立していた。イントロのリフを思いついただけで億はもらってよい。アイデア性、奇天烈なロジック、莫大なストックの知識がもたらした怪物作品。結婚式で流さないと気が済まない一曲。全員で歌ったらみんな号泣しながら死ぬんじゃないかな。そういう意味では滅びの唄。

 

1 SMAP – オレンジ (2000/市川喜康)

 

言わずもがな。日本でもっとも有名なカップリング曲ではないだろうか。しかもテレビが推したとかではなく、口コミが広げたという点でも支持できる。正直聞き飽きた部分も無くはないし、一時期は定番すぎて避けた時期もあったけど、でもこれを抜きにしてJPOPを語るなんてできるのかな、と思ってしまうほど。市川喜康さんは本当に素晴らしい曲をたくさん作っていて、このランキングにもたびたび登場している。これ作った当時はまだ20代半ばで、本当に才能の突出ぶりがわかる。これ、歌詞も市川喜康さんが手掛けていて、ほんとうに恐ろしい。でも当時20代の彼だったからこそ若い世代に共感されたのだろうし、必然だったのかなとも思う。なによりSMAPであることの必然性があるのがこの曲。他の曲だと割と「これもっと歌上手い人が歌ったらどうなるんだろう」と思うこともしばしばなんだが、オレンジに関してはSMAP以外ありえないのだ。それ以外聴きたくない、それくらいに彼らだからこそ引き出した魅力がこの曲にはある。定番かもしれないけれど、これは絶対に語るべき、20年に限定しなくても、70年80年続く邦楽史に燦然と輝く神曲である。

まとめ

以上が他作JPOPランキング100でした。どうですか?なかなか違った面々が揃って個性的なランキングになったのでは。

惜しかったのは、「チキンライス」を入れられなかったこと。あれ、浜田雅功と”槇原敬之”なんですよね。名前がクレジットされてる。他にも水曜日のカンパネラ。コムアイのソロプロジェクトっぽいけどケンモチヒデフミさんがちゃんとメンバーにいる。もったいない(なにが?)。

あと途中からほぼアイドルソングランキングになってきているのに気づいたので、そこもかなり厳選しました。本当は選びたかったアイドルもたくさんいたけど、ちょっと趣旨とはずれてくるので。あと基本JPOPにめちゃめちゃ詳しくなるのが当ブログを開設した(アメブロ時代を含む)2015年なので、2015年~2020年の曲の選出が多くなり、よりマメな選曲になってます。逆にいえば00年代はかなり雑ですね。アーティストの各代表曲をなぞったものが多いです。

で、年代別にグラフにしてみました。こんな感じです。

散々某ランキングで指摘された「08年から13年が少ない」問題、見事に体現しちゃってます。まじか。

個人的な考察をすると、ちょうどこのころは10代から20代を過ごしていて、最もロックに傾倒して、ヒットチャートを忌避していた時期。なのでどうしても思い出に残りにくいのはあるかもしれない。あとやはりAKBと嵐の席巻はいなめないかも。あの頃の嵐も、国民が歌える代表曲って生まれてなかったと思うし、ヒットチャートに目くらましされてた感はある。逆に05年は最もJPOPを聴いていた時期ですね。この辺の考察はもう少しくわしくやるとおもしろそうかも。

ということで、この辺でおひらきにしようと思います。みなさんもぜひ他作JPOPランキングやってみてください。数さえ集まったら集計してみるのもおもしろいかもですね。では。