ここでは邦ロックオールタイムベストアーティストの60位から41位までを発表します。

この企画の概要はこちら

60位 緑黄色社会

開始3秒でハートをつかむ、をモットーにしているバンド。頭一音目を非常に大事にしており、爽快なナンバーが多い。安定した演奏と歌唱でどのステージでも合わせることができるので非常に汎用性の高いアーティストでもある。

関連記事→緑黄色社会はクセになるバンドではない

59位 岡崎体育

同業種をいじったネタでネットとの相性が良く、爆裂に売れた岡崎体育は、クリエイティビティの視点を新たに付与したと考えられる。それほどに後続の彼のような目線の捻くれたアーティストは多く、またDIY精神のアーティストの先駆け的な役割も果たしている。チャーミーな姿からテレビでもウケがよく、CM起用など幅広い活躍を果たしている。

関連記事→<新企画>音楽ひとり談義「岡崎体育〜同世代批判という新しいカタチ〜」

58位 go!go!vanillas

ビジュアルの人気も非常に高いバンド。スタイリッシュで疾走感のある楽曲が多く、ステージングなどの影響力は多大。骨太なロックンロールで、芯の通った活動も魅力的。

57位 奥田民生

「さすらい」を聴いて、彼くらいに脱力して生きてみたい。のんびり生活してみたい、と憧れる人多数。実際はなかなか彼のようなライフスタイルには近づけない。シンプルでオーガニックなロックサウンドであり、真似したくなる要素が多いこともこの順位になっている。

56位 My First Story

”マイファス”として親しまれているこのバンドは、当初こそ兄のバンドを比べられることが多かったが、現在はよりそのジャンルを先鋭化させ、独自の音楽性を築いている。規模も年々大きくし、日本の主要海外アーティストメインのフェスでも大きなステージでプレイできるほどの力をつけている。最近はボーカルhiroのバラエティ進出が目立つ。

関連記事→My First Story(マイファス)の全然知らない人間がライブにいってみたら My First Story(マイファス)の全然知らない人間がライブにいってみたら

55位 Coldrain

2010年代のラウドロックシーンの最前線に立ち続けたColdrainはハードコアやメタル、エモなど近親のジャンルを大きく結びつけ、多数のアーティストとのコラボも果たしてきた生粋のライブバンドだ。海外での活動にも力を入れており、たびたび海外フェスのラインナップに名を連ねている。

54位 YOASOBI

きっかけと実力。多くのアーティストがもっとも欲してもっとも手に入らないものがそのふたつである。YOASOBIは偶然にもその二つを手にした。しかもそれが社会現象にまで発展した。ネットミュージックシーンが出自ではあるが、今年のロッキンジャパンフェスではグラスステージでのアクトが予定されている。まさにジャンルを超えた国民的ポップグループである。

関連記事→あえて”選ぶ”を選ぶYOASOBI論

53位 Mrs.GREEN APPLE

同世代が一瞬にして塵と化してしまうくらいのすさまじい才能とエネルギーを持つバンド。どポップでありながら深い世界観を持ち、巧みな構成で玄人も素人もうならせていく。若くして、という表現が決して100%の褒め言葉に聞こえないのは承知の上で、この若さでこのスキルは正直言って世代ナンバーワンだろう。

関連記事→まるで三ツ矢サイダーMrs GREEN APPLE

52位 9mm Parabellum Bullet

00年代後半に一時代を築いた残響レコードの代表格。激しいギタープレイとクサメロで圧倒的なライブシーンでの人気を博した。時にメタル的なプレイも、スカを取り入れたダンスナンバーもこなす実力派。ギターの滝の不調もあったが、サポートメンバーを入れながら現在も精力的に活動中。

51位 Vaundy

2019年秋ごろに「東京フラッシュ」を公開するとじわじわと話題になり、2020年の目玉となった期待の新星。こちらもあえてレトロな手法でオシャレを演出し、彼のような楽曲、彼のような演出に憧れる人が続出…するはずだ。このチルとエモ(この場合のエモとは20年代的な意味合いの方だ)のバランスは黄金比と呼んでも差し支えない。

関連記事→Vaundyという存在、リファレンスと勉強の必要性

50位 Hi-Standard

彼らをリアルタイムで知るパンクキッズはもう40代を超えているかもしれないが、彼らの影響はパンクシーンではいまだに絶大で、ミュージシャンは皆彼らの影響下にある。それくらい問答無用のバイブルでありレジェンドでもある”ハイスタ”は時代を超えて愛され続けている。が、さすがに影響下が限定的であり、20年以上が経過したことを考慮してこの順位とした。近年活動を再開させている。

49位 BLUE ENCOUNT

熱いMCと泣きの演奏は若者の感情を強く揺さぶり、音楽のちからを信じてしまいそうになる。そのくらい彼らには魔法があり、納得させるだけの説得力がある。邦ロックを直に影響を受けたサウンドは、まさに純ジャパニーズバンドと言えるだろう。

関連記事→日本社会の闇のシンボル、「強感」のBLUE ENCOUNT

48位 Fear, and Loathing in Las Vegas

ピコリーモを確立させたバンド、という紹介で相違ないだろうか。オートチューンを大胆に導入し、そこにスクリームを追加させ、全てを混沌とさせたごった煮感があるが、それでも結局ラスベガスらしい統一感が生まれ、ごり押しで成立させている。アニメ等の親和性も高く、アニメ界からのファンも多く持つ。

47位 SHISHAMO

男性目線の楽曲も女性目線の楽曲も作れ、日常的かつ細かな心理描写が際立つスリーピースバンド。邦ロックバンド、という触れ込みが流行った時代に真っ先に紅白までたどり着いた偉大なバンドで、その後も日和ることなく攻めた楽曲を制作し続け、ファンを飽きさせることのない実力の高いバンドだ。

関連記事→名字で呼び捨てするSHISHAMOだから

46位 ROTTENGRAFFTY

ミュージシャンから高い信頼を置かれる京都のバンド。非常にベタなメロもあり、激しいシャウトの応酬もあり、現場の空気を一変させる力を持つ。自身でイベントも主催するなど、シーンを活気づける活動も欠かしていない。

45位 Base Ball Bear

瑞々しい歌詞とキレの良いカッティング、跳ねるベースに高揚感を掻き立てるドラム。彼らは20年近く活動をしても、大きくスタイルを変更させずにここまできた。小細工のない生のバンドの音がすっと耳に飛び込んでくる。わかりやすいトリッキーさはないけれど、邦ロック好きの若者たちの体の中に取り込まれ脈々と受けつがれる王道ギターロック。まさにロックの伝道師。

関連記事→普通のバンドにしか見えない”Base Ball Bear”の魅力は普通じゃなかった

44位 SUPER BEAVER

苦労をたくさん知っているからこそ、言葉に重みが生まれる。SUPER BEAVERというバンドはそれを証明し続けている。一音一音に丁寧に日本語を乗せていく姿勢は、その強いこだわりを感じる。今フェスで最も泣き数を作れるのは彼らに違いない。ちなみに彼らの真似をしてアマチュアがそれっぽいをすると9割9分スベっている。

43位 sumika

「アットホームな社内です!」と謳った企業は大抵怪しまれるが、「アットホームなライブです」と謳うsumikaは本当にその通りで、どのライブ映像もまるで家族で観ているかのようなほっこり感があり、笑顔に包まれている。リハでは意外と体育系だと語る本人たちだが、そのタフな練習の成果がこのパフォーマンスだというのは納得できるものがある。

関連記事→「HOME」をテーマに掲げるsumikaは誰にも真似できない

42位 BRAHMAN

「漢」という文字がこれほどまでに似合う男はいない。TOSHI-LOWは筋肉を見せつけ、口数も少なく、音楽だけで全てを表現しようとする無骨な男である。そこがBRAHMANの最大の特徴であり、魅力でもある。激情的で静と動の使い分けが特に優れている。後輩想いで多くのミュージシャンに慕われている兄貴的な存在である。

関連記事→BRAHMANを好きになれないのは

41位 東京事変

椎名林檎を中心に結成された東京事変は、邦ロック史上最も各プレーヤーの人気と知名度が高いバンドかもしれない。全員が全員変態的なプレーヤーでありながら、もっとも変態的な椎名林檎が総指揮を務めると一気にまとまりが生まれる。これがスーパースターと言わずして何と呼ぶ、というくらいに圧巻のパフォーマンスを見せる。世界にまだ見つかっていないことが日本人として嬉しい気持ちと悲しい気持の半分半分である。

以上が60位から41位までの発表です。40位以降は次回にします。

邦ロックオールタイムベストアーティスト100位~81位

邦ロックオールタイムベストアーティスト80位~61位

邦ロックオールタイムベストアーティスト40位~21位

邦ロックオールタイムベストアーティスト20位~1位