ここでは邦ロックオールタイムベストアーティストの20位から1位までを発表します。

この企画の概要はこちら

20位 ゲスの極み乙女。

ダンスロックの名を借りて登場した飛び道具的な存在のバンドが、ものの1~2年でロックの世界のみならず日本のポップス界を牛耳ってしまった。奇天烈な楽曲にもかかわらず説得力のある力強いサウンドと強烈なキャラクターによるかつてない表現をするバンドはサブカルチャーもろともの変革を成し遂げてしまった。

19位 04 limited Sazabys

清涼感のあるハイトーンボイスと激しい演奏が特徴的なバンド。自主開催フェスも大きな成功を収めるなど、確実にシーンの中心に立っている。MCでは熱く、演奏は軽やかで、ミュージシャンたちからの信頼も厚いのはその下積みにあり。

18位 あいみょん

フォークミュージックを下敷きにした新感覚のポップスは、なにより年配層からの支持が厚いことが特徴的だ。どこか懐かしいけど新しい、そんな温故知新のスタイルであいみょんはビッグスターになった。彼女のファッションも自由でクールで雑誌のモデルのようなコーディネートをたびたび披露するのも、かつての男性にウケるために否応なく清楚な服装を着させられてたギタ女とは一線を画す。それもとても2020年的な自己表現方法である。

関連記事→”エンタメメンヘラ”の女王、あいみょん

17位 back number

王道かつ女々しいのは時代の流れを顕著に表している。男性女性問わず共感を呼ぶ歌詞に壮大なオーケストレーションが加わりすでにベテランバンドの風格すらある。スタンダードポップロックのひとつの雛形とも言える。

16位 Official髭男dism

back numberがとことんスタンダードのポップスだとしたら、髭ダンは変態性を伴った王道ポップスと言えるだろう。明らかに常軌を逸したメロディにR&Bやファンクを下敷きにしながらも現代のポップスへの適応力は半端なく、ロックファンのみならず日本中を虜にしている。なによりここまで大衆的な評価を得ながら、最も高く評価しているのは音楽に精通している人たちだという事だ。

関連記事→Official髭男dismはなんでもありだからこそおもしろい

15位 星野源

名実ともに日本一のミュージシャンとなった星野源。だれよりも音楽を深く追求し、そこで得た知識や経験を、いかに難しくなく多くの人に届けられるかを命題とし、それを実行している男である。その偉業は現代では測りうることもできず、いまだ評価が定まっていないが、彼らをロックというアプローチから大きく転換させたことは言うまでもない。

関連記事→星野源の「うちでおどろう」とSHELLYの「STAY HOME」からにじみ出る文脈理解の大切さ

14位 マキシマムザホルモン

コメディでありながらメタルやハードコアを全力でシーンに届け続けるモンスターバンド。影響力はいまやとんでもないところにまで波及している。なによりニコニコ動画やYOUTUBE、2ちゃんねるなど、ネットカルチャーとも親和性が高いのも特徴的で、そのあたりの発展と育成にも大きく貢献している。多分彼らを通っていないメタルキッズはいない。

13位 UNISON SQUARE GARDEN

中毒性の高いメロと入トーンボイス。2010年代を支えた要素を全て兼ね備えたバンド。3人組でありながらそれを思わせない音の厚みと変則的な音楽で多くのファンを獲得している。アニメの主題歌等も多いため、アニメファンとのつながりも深く、それもひとつの邦ロックの最近の潮流の一つと言えるだろう。

12位 UVERworld

常に熱いメッセージと一切妥協をしない姿勢で10代の心を激しく揺さぶる激情バンド。エモいとかそういうまやかしを一切寄せ付けない本当のエモーショナルを突き付けてくる。悩み不安葛藤を全て受け止め強く鼓舞してくれるこのバンドはこの順位にしても不平不満はないはずだ。

関連記事→わずかな情報のみでUVERworldに立ち向かう記事

11位 スピッツ

問答無用、国民的ポップバンドは11位。哲学的な歌詞と童話性の高いストーリー、ボーカル草野の透明感のある声、安定感のある楽器隊。すべてがハイクオリティで、この先20年のポップロックのひな型を作った。昔の曲も現在の曲も等しく愛されている、息の長いバンド。

10位 10-FEET

「邦ロックファンが選ぶ」という視点を鑑みれば、このバンドをベスト10にしないことは考えづらい。彼らの音楽ももちろんだが、それよりも自主開催フェス「京都大作戦」の功績も大きい。人柄、スタンスがとにかく愛されている。どう転んでも彼らの地位が揺らぐことはない。邦ロックシーンの礎を築いたバンドのひとつだ。

関連記事→ユニバ大作戦ってサイテーだよね

関連記事→フェス文化の恩恵を受けてるのは実はベテラン勢かも

9位 NUMBER GIRL

90年代、全てのロックスターへと上り詰めまるでシャボン玉のように解散してしまった伝説的なバンド、NUMBER GIRL。衝動性が詰まっているこのバンドに影響されたのはファンだけでなく、ミュージシャンも同じだ。みんな彼らを聴いて鼓舞されバンドを始める。特に女性はギタリストの田渕ひさ子に多大なる影響を受けているはずだ。

8位 サカナクション

ダンスロックの帝王、サカナクションが8位。もはや彼らは説明不要のモンスターバンドであり、フェスに出たときは100%大トリを飾ることになる。ボーカル山口の歌謡への敬意とエレクトロミュージックへの愛着が見事に融合して生まれたこの音楽は、いまだに後進が登場することなく彼らだけのものとなっている。改めて彼らのお茶の間への意識の高さと実験要素の追及とアプローチの多様性はこの先100年以上語り継がれるべき偉業と感じる。

関連記事→サカナクションというバンドについて

7位 ASIAN KUNG-FU GENERATION

もうベスト10のラインナップがとんでもないことになってきた。続いてはアジカン。00年代初頭に登場し、邦ロックの覇権を握った。彼らもシーンへの俯瞰的な目線が強く、常にいかにこの国の音楽シーンをどう発展させるかに真摯に取り組んできた。時代によっても音楽性が大きく異なり、クセらしいクセがないのが特徴。

関連記事→アーティストのアルバム1日1枚ずつ全部聴く~アジカン編~

6位 [ALEXANDROS]

00年代がアジカンで始まったなら、10年代はアレクサンドロスではじまった。海外バンドのようなたたずまいと、ファッショナブルでスタイリッシュなさまは、かつてあった「Tシャツとジーパン」のロックバンドとは一線を画す存在だった。彼ら以降、バンドマンにも「ファッショナブル」であることがひとつのステータスとなる。これからバンド始める10代は大抵アレクサンドロスをコピーしようとするがボーカルもドラムも破綻して成立しない事案が多々発生する。

5位 ELLEGARDEN

パンクメロコアの最頂点はELLEGARDENの登場だろう。時代を変革した、新しい波を作ったレジェンドバンド。近年活動を再開させてからも大きな話題を呼び続け、いまだに人気は絶大。とりあえず彼らのコピーからはじめるのはセオリーである。

関連記事→音楽ひとり談義「ELLEGARDEN細美武士の発音はそれほどでも」

4位 米津玄師

米津玄師はロックというよりはボカロ文化もニコ動文化も全部を統合させてそのまま天下統一してしまった異次元のアーティストである。邦ロックという範疇からは全く外れて、とくに邦ロックファンに贔屓となるような活動もないが、今オシャレでアーティスティックな雰囲気をまといたい人は大抵米津リスペクトの姿恰好をしている。これはもはや米津玄師という人間そのものがカルチャーだ。

関連記事→米津玄師に親しみを感じる理由

関連記事→米津玄師のカリスマの半分は前髪でできている

3位 RADWIMPS

ミクスチャーで日本語を怒涛に詰め込み、これでもかと偏狂的な愛を露呈し続けるバンド。目まぐるしく変わる音楽性とその圧倒的なセンスは、確実にこの20年の音楽シーンを遥か高く更新させてみた。正直、この先の2位と1位よりも、カリスマ性と総合的な芸術センスにおいては話にならないほど群を抜いて高い。

関連記事→RADWIMPS~Road to Catharsis Tour~2018/6/1@三重ライブレポ

関連記事→音楽にうるさい人のためのRADWIMPSのプレイリストを考えた

関連記事→RADWIMPS野田洋次郎の口癖を考えてみた

関連記事→サマソニ大阪2019予習~RADWIMPS編~

関連記事→2011年からのRADWIMPS3作品にみる世界観の構築という話

関連記事→RADWIMPSにカバーさせてみた~邦楽編~

関連記事→RADWIMPS「人間開花」が切り開いた新境地

関連記事→radwimpsは二度目のピークが来るのか

関連記事→RADWIMPS 胎盤ツアー withスピッツ@横浜アリーナ ライブレポ

2位 ONE OK ROCK

いまや世界で活躍するバンド、ワンオクロック。時代は彼らを後押しし、いつのまにか日本に「来日」するようなレベルのありがたみにまで進化。彼らを一目見ようとフェスに出演する際は数万人が押し掛ける。エモロックをお茶の間に知らしめたバンドであり、音楽性も年々進化し、今の世界的なロックに標準を定めたハイクオリティな作品を出し続けている。

1位 BUMP OF CHICKEN

ということで1位はBUMP OF CHICKENでした。世界観も、歌詞も、歌声も、ギターも、全てが参照元となり、ありとあらゆるすべてが真似された。改めて彼らを説明するのも面倒なくらいに、その偉大さは十分に伝わっているだろう。圧倒的、絶対王者。まさに後にも先にも現れることのないバンドである。

関連記事→21世紀の若者が求める歌詞考察 ―BUMP OF CHICKENが若者にウケたワケ―

関連記事→18年の思いをBUMP OF CHICKENに届けるためのライブレポ~ホワイトサイド~

関連記事→バンプの感想たちを眺めて考える

以上が20位から1位までの発表です。これで全ての発表が終わりました。改めて言いますが、これは私のただの想像です。好きって感情で投票されたアーティストも多いだろうし、好きとか嫌いを超えた普遍的なすばらしさを持ったアーティストだとして投票されたのもあるだろう。そういう色々な要素が組み合わさってできたランキングは他のどこにもないものになったはずだ。

邦ロックオールタイムベストアーティスト100位~81位

邦ロックオールタイムベストアーティスト80位~61位

邦ロックオールタイムベストアーティスト60位~41位

邦ロックオールタイムベストアーティスト40位~21位